スワップポイントとは?「月10万」に必要な資金と、やめとけと言われる理由を数字で検証

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わからない前提で解説 5歳でもなんとなく分かるFX用語!

スワップポイントとは?
「2つの貯金箱のおまけの差」で毎日もらえるお金と、その裏にあるリスク

無料ツール スワップを今すぐ計算する 入力は4つ・消える下落幅も出る

このページでは、スワップポイントの仕組みと計算方法、付与される時間と0円になる日、通貨ペア別の利回り、スワップだけを受け取る振替、そして「やめとけ」と言われる理由まで扱います。シミュレーターで、月10万円に必要な資金と、1年ぶんのスワップが何pipsの下落で消えるかをその場で確認できます。金利は2026年9月の日米の利上げ後の値です。

スワップポイントを説明するパンダキャラクター
STEP 01
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なんとなく理解しよう!

5歳でもわかる超かんたん解説

貯金箱のお話をするね。日本の貯金箱は、お金を入れておいても1年でほんの少ししかおまけがもらえないんだ。ところが外国の貯金箱には、同じ金額を入れておくと日本の何倍ものおまけをくれるものがあるの。

じゃあ、日本の貯金箱の中身を、おまけの多い外国の貯金箱に移しちゃえばいいよね。FXではこれができるんだ。そして2つの貯金箱のおまけの差が、毎日ちょっとずつ自分のところに入ってくる。これがスワップポイントだよ。

逆向きにするとどうなると思う? おまけの多い貯金箱から少ない貯金箱へ移すと、今度は差額を毎日払うことになるんだ。これをマイナススワップと呼ぶよ。反対に、もらえるほうはプラススワップって言うんだ。

質問するパンダの生徒
パンダくん

毎日もらえるなんて最高じゃん! ずっと持っておけばどんどん増えるよね?

回答するパンダの先生
パンダ先生

そこがいちばん大事なところなんだ。おまけをもらっている間に、貯金箱そのものの値段が下がることがあるんだよ。1年ためたおまけが、たった数日の値下がりで全部消えることだってある。

だからスワップポイントは、もらえる金額だけを見てはいけないんだ。「毎日いくらもらえるか」と「値段がいくら下がると、そのもらった分が消えるか」をセットで見るのが正しい使い方だよ。STEP2の道具を使えば、その2つを一度に出せるからね。

それと、おまけの量は変わることがあるよ。それぞれの国の中央銀行が「おまけの率」を決めていて、ときどき見直すんだ。日本は長いあいだおまけがほとんどゼロの国だったけど、2024年から少しずつ増やして、2026年9月には1.25%になったよ。ただ、アメリカも同じ月におまけを増やしたから、2つの差はほとんど変わっていないんだ。

ちなみに、このおまけはFX会社からのプレゼントじゃないよ。銀行どうしの世界でやりとりされている金利の差が、FX会社を通ってあなたの口座に届いているんだ。だから日によって、少し多かったり少なかったりするよ。

この4つだけ覚えて帰ろう
  • スワップポイント…2つの通貨の金利差から毎日生まれる受け払いのお金
  • プラススワップ…高金利の通貨を買い、低金利の通貨を売ると毎日もらえる
  • マイナススワップ…その逆向き。毎日支払うことになる
  • いちばん大事なこと…もらえる額より、値下がりで何日分が消えるかを先に見る
つまり

スワップポイントは「毎日少しもらえる代わりに、値下がりのリスクを持ち続ける」仕組みです。

スワップポイントの詳細を解説するパンダキャラクター
STEP 02

シミュレーターで数字を確かめよう!

利回りから税金まで本格解説

01スワップポイントの正体と計算式

スワップポイントとは、2つの通貨の政策金利の差から生まれる調整額のことです。金利の高い通貨を買って低い通貨を売れば毎日受け取り、その逆なら毎日支払います。理論上の計算式はシンプルです。

理論値の計算式

1日あたりのスワップ = 取引数量 × 金利差(年率)× 為替レート ÷ 365
ドル円を1万通貨、金利差2.6%、レート157円なら 10,000 × 0.026 × 157 ÷ 365 = 約112円。

ただし実際に受け取れる額はこの理論値より小さくなるのがふつうです。FX会社が銀行間の市場で資金をやりとりするコストと、自社の取り分を差し引くためです。同じ通貨ペア・同じ日でも、会社によって金額が2倍以上違うことは珍しくありません。だから計算式を覚えるより、使っている会社が公表している実額を見るほうが確実です。

スワップポイントが生まれる仕組み(2026年9月の政策金利) 日本円 1.25% 日銀(2026年9月18日決定) 米ドル 3.75〜4.00% FRB(2026年9月16日決定) 金利差 2.50〜2.75% ドル円を買う(米ドルを持つ) 金利の高い通貨を持つ側。金利差を毎日受け取る=プラススワップ ドル円を売る(円を持つ) 金利の低い通貨を持つ側。金利差を毎日支払う=マイナススワップ 店頭FXでは、売りの支払い額が買いの受け取り額より大きい(差がFX会社の取り分)

日米の政策金利は2026年9月の会合後の値です。金利の高い通貨を買うとプラス、売るとマイナスになります。受け取り額と支払い額に差があるのは、その差がFX会社の取り分になっているためです。

確認する場所

どのFX会社も、スワップポイントの実績値を公式サイトで公表しています。探すときのキーワードは「スワップカレンダー」「スワップポイント一覧」です。1万通貨あたり1日いくらという形が多いものの、高金利通貨は10万通貨あたりで載せる会社もあるので、単位を確かめてください。10万通貨あたりの数字は、次のシミュレーターの「くわしく設定する」で単位を切り替えれば、そのまま使えます。海外のFX業者の取引画面では、同じものが「Swap」「Rollover」と表示されます。

02スワップ収益シミュレータースクリプト未起動

知りたいのは「いくらもらえるか」だけではないはずです。月10万円にはいくら必要か、そして貯めた分が何pipsの下落で消えるのか。この2つを同時に出します。

1年でもらえるスワップ +36,500円 為替が3.65円(365pips・レートの2.3%)逆に動くと、1年分が消えます。
1か月+3,000円 資金に対する年利回り6.1% 実効レバレッジ2.6倍 月10万円に必要な量33.3万通貨
スライダーやボタンを動かすと、すぐ変わります
+100円
払う0円もらう
持つ量は?通貨
入れる資金は?この通貨ペアに使う分
例
くわしく設定する(単位・レート・範囲外の数字)
スワップ一覧の単位は?
1日のスワップ+100円
1年分が消える下落幅365pips
月10万円に必要な取引金額5,233万円

ここに入れた数字が優先されます。量と資金は、空欄にすると上のボタンの値に戻ります。高金利通貨は10万通貨あたりで載せる会社があるので、単位を合わせてください。

クロス円(ドル円・豪ドル円など円が絡む通貨ペア)向けの試算です。入力した金額が1年続いた場合の単純計算で、税金・スプレッド・スワップの変動は含めていません。適正な量はロット数のページ、証拠金の余裕は証拠金維持率で確認できます。

S1未起動:本文のスクリプトが読み込まれていません。ページを再読み込みしてくださいS2未起動:計算のスクリプトが最後まで動いていません。ページを再読み込みしてください

初期値は、ドル円を1万通貨、資金60万円(実効レバレッジ2.6倍)で持ち、スワップが1万通貨あたり1日100円付く想定です。100円は、金利差約2.6%とレート157円から出す理論値(約112円)より少し控えめにした仮の値です。結果は1日100円、1か月3,000円、1年で36,500円。資金60万円に対する年利回りは6.1%になります。

ところが同じ画面に、1年ぶんのスワップが消える下落幅は365pipsと出ています。為替が3.65円下がるだけで、1年かけて積み上げた36,500円は消えるということです。2026年9月だけを見ても、ドル円は月初の153円台から下旬の157円台まで4円以上動いています。

質問するパンダの生徒
パンダくん

えっ、1年がかりで貯めたのに、4円も下がらないうちに消えるの? それ意味あるの?

回答するパンダの先生
パンダ先生

意味はあるよ。ただしスワップは「単独で稼ぐもの」ではなく「為替が大きく崩れない限りプラスに働く上乗せ」なんだ。だから為替の見通しを持たずにスワップだけを狙うと、ほぼ確実に足をすくわれる。

もうひとつ見てほしいのが、月10万円に必要な数量が約33万通貨、取引金額にして約5,233万円だという結果です。実効レバレッジ3倍に抑えるなら口座には約1,744万円、レバレッジをかけずに持つなら約5,233万円が要る計算になります。「スワップで月10万円」という言葉の実態はこれです。

月1万円〜30万円に必要な資金の早見表

目標(1か月)必要な数量取引金額資金(実効3倍)資金(1倍)
月1万円33,333通貨約523万円約174万円約523万円
月3万円(1日1,000円)100,000通貨約1,570万円約523万円約1,570万円
月5万円166,667通貨約2,617万円約872万円約2,617万円
月10万円333,333通貨約5,233万円約1,744万円約5,233万円
月20万円666,667通貨約1.05億円約3,489万円約1.05億円
月30万円1,000,000通貨約1.57億円約5,233万円約1.57億円

ドル円・1万通貨あたり1日100円・レート157円・1か月30日で計算した税引き前の金額です。スワップが半分になれば、必要な数量と資金は2倍になります。税引き後で同じ金額を受け取るには、数量が約1.25倍必要です。

つまり

スワップは利回りではなく「消える下落幅」で判断してください。この数字が小さいほど、為替に対して無防備だということです。

03付与される時間と、0円になる日

スワップポイントはロールオーバーという処理のタイミングで付与されます。FXは本来2営業日後に通貨を受け渡す取引なので、個人が実際に受け渡さずに持ち続けるために、毎日受渡日を1日繰り延べる処理が入ります。そのときに金利差が精算されるという仕組みです。

付与の時刻は日本時間の早朝、おおむね午前6時から7時のあいだです。米国が夏時間か冬時間かで1時間ずれます。大事なのは、この時刻をまたいでポジションを持っていたかどうかだけが判定基準だということ。夕方に買って翌日の昼に決済すれば付与されますが、デイトレードで当日中に手じまえば発生しません。

もうひとつ覚えておきたいのが付与日数です。1回のロールオーバーで何日分のスワップが付くかを表す数字で、ふだんは1日分、週に1回は土日の分を含む3日分、海外の祝日が重なる週はそれ以上になります。スワップカレンダーに付与日数の列がある会社なら、何日分がまとめて付くかはそこで分かります。

スワップが0円になる日がある理由

「スワップが0円だった」という状況には、いくつか違う原因があります。

  • 土日はそもそも付与されない…市場が閉まっているため、週末の2日分は平日にまとめて処理されます
  • 数量が少なくて切り捨てられた…1,000通貨などでは1日あたりの額が1円未満になり、表示が0円になることがあります
  • 金利差がほぼ消えた…両国の政策金利が近づくと、買いも売りも0円に近づきます
  • 会社側の判断…相場の混乱時や年末年始などに、一時的にスワップの提示が0になることがあります

特に2つ目は少額で始めた人がつまずきやすい点です。端数を内部で管理して数日分まとめて付与する会社と、切り捨ててしまう会社があります。少額で積み上げたいなら、ここの扱いを確認しておくと差が出ます。付与されたスワップがいつ現金として使えるかも会社で違い、これは07章で整理します。

042026年9月の金利差と通貨ペア別の利回り

スワップの大小は、結局のところ相手国の政策金利が日本よりどれだけ高いかで決まります。日本の政策金利は2026年9月18日の会合で1.25%に引き上げられ(9月24日から適用)、1995年以来の水準になりました。

通貨ペア相手国の政策金利対円の金利差為替の安定性初心者向き
豪ドル円4.35%約3.10%やや高い◎
ドル円3.75〜4.00%約2.50〜2.75%高い◎
NZドル円2.75%約1.50%やや高い○
メキシコペソ円6.50%約5.25%やや低い△
トルコリラ円37.00%約35.75%低い×

各国の政策金利は2026年9月24日時点で確認できた値です。日本の1.25%との差を「対円の金利差」として表示しています。受け取れる実額はFX会社と為替レートによって変わります。

2026年9月は日米がそろって利上げ

米国のFRBは9月16日に0.25%の利上げを決め、政策金利を3.75〜4.00%にしました。利上げは約3年ぶりです。その2日後に日銀も1.25%へ上げたため、ドル円の金利差は2.50〜2.75%のままほとんど動いていません。この先は、豪州の9月29日の会合(利上げが有力視されています)、NZの10月28日、日銀の10月29〜30日の会合が、それぞれの通貨ペアのスワップを動かします。各国の動きは中央銀行のページでも追えます。

表を見るときのコツは、金利差の列と安定性の列を必ずセットで読むことです。トルコリラ円の金利差約36%は圧倒的ですが、これはそれだけの利回りを付けなければ誰も持ってくれない通貨だという市場の評価でもあります。高金利通貨はリスクオフの局面でまとめて売られる傾向があり、主要通貨とは値動きの性格が違います。

意外に思われるかもしれませんが、2026年9月時点では豪ドル円の金利差がドル円を上回っています。かつては「スワップといえばドル円」でしたが、通貨ペアごとの順位は固定ではありません。過去の記事の順位をそのまま信じないでください。

05誰が払っているのか、なぜ毎日変わるのか

スワップポイントを調べていると、誰が払っているのか、なぜ毎日金額が変わるのかという疑問にぶつかります。答えはどちらもFX会社の裏側にあるお金の流れにあり、ここが分かると「減った」「0円になった」「逆転した」という現象がまとめて説明できます。

原資は、毎日の「金利差の精算」

FX会社は、お客さんの注文をそのまま社内で抱えるか、銀行などのカバー先と反対の取引をして値動きのリスクを消します(DD・NDD方式)。どちらの場合も、ポジションを翌日に持ち越すたびに受渡日を延ばす処理が入り、そのときに2つの通貨の金利差を受け取ったり払ったりします。これがスワップの原資です。

つまり買いのお客さんが受け取るスワップは、同じ会社で売りを持つお客さんが払うマイナススワップと、FX会社がカバー先から受け取る金利差で賄われています。売りと買いで金額が同じにならないのは、その差がFX会社の取り分になっているからです。

スワップのお金はどこから来るのか 1 中央銀行 政策金利を決める 日銀 1.25% FRB 3.75〜4.00% 2 銀行間の市場 1日単位の短期金利 政策金利と ずれる日もある 3 FX会社 カバー取引と 社内の売り買いの 相殺 4 あなたの口座 買い=受け取り 売り=支払い (毎日精算) 買いのスワップの原資 ①同じ会社の売り手が払うマイナススワップ ②FX会社がカバー先から受け取る金利差 この2つを合わせて配っている 売り買いの差=FX会社の取り分 受け取りと支払いの額が違うのは、 その差が手数料の役割をしているから 取引所FX(くりっく365)は売り買いが同額 政策金利が同じでも、2の市場金利と3の会社の方針で金額は毎日変わる

スワップは、中央銀行が決めた政策金利をもとに銀行間で日々決まる金利差が、FX会社を通って届いたものです。売りと買いの差額はFX会社の取り分になります。

金額が毎日変わる5つの理由

  • 政策金利が変わる…中央銀行の会合で0.25%動けば、金利差もほぼそのまま動きます
  • 銀行どうしの短期金利が動く…元になるのは政策金利そのものではなく、銀行間で1日単位に貸し借りする金利です。政策金利が同じでも毎日少しずつ動きます
  • 為替レートが動く…円に換算して表示するため、同じ金利差でもドル円が150円のときと160円のときでは、1万通貨あたりの金額が約7%違います
  • 付与日数が変わる…週末や祝日をまたぐ日は、2日分以上がまとめて付きます
  • FX会社の方針…キャンペーンで上乗せしたり、相場が荒れたときに取り分を広げたりします

2つ目の分かりやすい例がトルコです。トルコ中央銀行は2026年3月、政策金利の37%で資金を供給する1週間物の入札を止め、銀行はより高い40%の翌日物で資金を借りるしかなくなりました。政策金利は37%のままなのに、市場の金利は40%近くまで上がったわけです。入札が再開したのは8月でした。スワップが政策金利どおりに動かないのは、こうした市場の金利と、5つ目の会社の方針が重なるためです。

向きが「逆転」するとき

2つの国の金利の上下が入れ替わると、スワップの向きも逆転します。豪ドル/NZドルなら、2026年9月時点では豪州4.35%・NZ2.75%のため豪ドルの買いがプラスですが、NZの利上げが続いて差が縮めば、受け取れる額は小さくなっていきます。「スワップがプラスの通貨ペア」は、金利の関係が変わればいつでも入れ替わると考えてください。

つまり

スワップは約束された配当ではなく、金利差を毎日精算した結果です。だから金額は毎日変わり、向きが逆転することもあります。

06なぜ「やめとけ」と言われるのか

スワップポイントを調べると、検索候補に「やめとけ」「おすすめしない」が並びます。感情的な意見ではなく、数字で説明できる理由が3つあります。

理由1:リスクとリターンが非対称

スワップは毎日少しずつ、上限のある形で積み上がります。一方で為替の下落には上限がありません。上がり方は直線、下がり方は崖という形です。シミュレーターの「消える下落幅」が365pipsという数字は、この非対称性をそのまま表しています。

理由2:損切りしにくい心理が働く

これがいちばん実害の大きい理由です。「決済したらスワップが止まってしまう」という気持ちが、損切りをためらわせます。通常のトレードなら切れる含み損を、スワップ狙いというだけで持ち続けてしまう。結果としてロスカットまで行き着きます。

理由3:急落は実際に何度も起きている

決定的なのが2024年です。ドル円は7月3日に161円95銭をつけたあと反転し、8月5日には141円70銭まで下げました。約1か月で20円、2,000pips超の下落です。7月11日と12日に通貨当局による介入と見られる円買いが入り、7月31日の日銀会合で追加利上げが決まり、米FRBが9月の利下げ検討を示唆したことで加速しました。7月31日時点のドル円は150円前後で、そこから8月5日まで3営業日で約8.3円下げています。

いまの水準で当てはめると

1万通貨あたり1日100円のスワップを1万通貨で受け取っていた場合、約2,000pipsの下落による損失は20万2,500円。これに対して1年ぶんのスワップは36,500円です。5年半分のスワップ収入が1か月で消えた計算になります。この局面で退場した人の多くは、損切りを置いていませんでした。円キャリートレードの巻き戻しと呼ばれる現象です。

同じ形は2026年にも出ています。7月30〜31日に日米が協調して円買いの市場介入を行い、ドル円は163円台から157円台へ急落、8月3日には一時155円台前半をつけました。数日で7円以上、1万通貨なら7万円超の損失で、いまの水準のスワップ約2年分にあたります。

1万通貨を持った場合:1年分のスワップと急落1回の損失 1年分のスワップ(1日100円×365日) 36,500円 2026年7〜8月の急落(163円台→155円台前半) 7万円超 2024年7〜8月の急落(161円95銭→141円70銭) 202,500円 2024年の下落は、いまの水準のスワップ約5年半分にあたる

スワップは1万通貨あたり1日100円(2026年9月の金利差とレート157円からの控えめな想定)で計算しています。2024年は7月3日の161円95銭から8月5日の141円70銭まで、2026年は7月30〜31日の協調介入から8月3日までの下げ幅です。

付け加えると、日銀が利上げするたびに同じ規模の下落が起きるわけではありません。2024年8月は介入・日銀利上げ・米国の景気懸念が重なった結果で、2026年9月の日銀利上げではFRBも同じ週に利上げしたため、金利差そのものはほとんど動いていません。ただしボラティリティが跳ね上がる日は事前に分かるので、会合の前に量を落とすだけでも当たる確率は下げられます。

つまり

「やめとけ」は手法の否定ではなく、損切りを置かない運用への警告です。置けるなら成立します。

07スワップだけを受け取る方法(振替・出金)

ポジションは持ったまま、たまったスワップだけを受け取りたい。この需要に対するFX会社の仕組みは、大きく2つに分かれます。

  • 自動で口座の資金に入るタイプ…ロールオーバーのたびにスワップが口座の資金へ反映され、そのまま出金に回せます。GMO外貨はこの形で、振替の操作そのものがありません。GMOクリック証券も、ニューヨーククローズで発生したスワップが反映処理のあと(クローズ後1時間程度)現金として扱われます
  • 「スワップ振替」で受け取るタイプ…スワップはポジションの損益の中にたまっていき、振替の操作をした時点で現金になります。ヒロセ通商・松井証券FX・DMM FX・マネースクエアなどがこの形です

どちらのタイプでも注意したいのは、受け取ったスワップはその瞬間に証拠金から抜けていくということです。毎月スワップを引き出していると、口座の資金は増えないまま証拠金維持率だけが少しずつ下がり、急変のときにロスカットに近い位置から始まることになります。

振替・出金の前に確かめる3つ

  • 振替後の証拠金維持率…振替や出金のあと、維持率が自分の決めた下限(長期保有なら500%など)を割らないか
  • 税金が確定するタイミング…振替や自動反映で受け取ったスワップは、その年の所得になるのが一般的です(09章)
  • 何の通貨で付くか…ユーロ/米ドルのようなドルストレートは、スワップが米ドルで付く会社や、受け取る通貨を選べる会社があります。GMOクリック証券では一部の通貨ペアで米ドルを選べますが、選べるのは新規注文のときだけで、約定後は変えられません
円に戻したいとき

米ドルで受け取ったスワップを円に戻すには両替の操作が必要で、会社によっては手間やコストがかかります。受け取りを円にそろえたいなら、ドル円や豪ドル円のようなクロス円でスワップを狙うほうがシンプルです。

08スワップ3倍デーと、業者ごとの差

土日は市場が閉まっているため、週のどこかで3日分のスワップがまとめて付与される日があります。スワップ3倍デーと呼ばれ、多くの会社では水曜日から木曜日にかけてのロールオーバーで処理されます。ただし付与される曜日は会社や通貨ペアによって異なるため、必ず自分の口座の規定を確認してください。祝日が絡む週は4日分・5日分になることもあります。

そして長期でいちばん効いてくるのがFX会社ごとのスワップの差です。同じ通貨ペアでも、1日あたりの受取額が会社間で2倍以上違うことがあります。1万通貨で1日10円の差でも、10万通貨を1年持てば36,500円の差になります。

表示単位の違いに注意

スワップの一覧は、ドル円などは1万通貨あたり、メキシコペソ円・トルコリラ円・南アフリカランド円などは10万通貨あたりで載せている会社があります。単位をそろえずに比べると、10倍ずれた数字で判断することになります。シミュレーターでは「くわしく設定する」で単位を合わせてください。

  • 過去1年ぶんの推移が公開されているか…その日の値だけ高い会社より、水準が安定している会社のほうが長期では有利です
  • 買いと売りのスワップ差が小さいか…差が大きいほど、実質的な手数料が高いということです
  • 少額での端数がどう扱われるか…切り捨てられるか、繰り越して付与されるかで結果が変わります

各社の条件は国内FX会社ランキングで比較できます。スプレッドより先にスワップ実績を見るべきなのが、長期保有を前提にした会社選びの特徴です。

09スワップポイントと税金

スワップポイントの利益も、為替差益と同じく課税の対象です。国内FX会社を使う場合は申告分離課税で一律20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)となります。2027年1月からは復興特別所得税が下がる代わりに防衛特別所得税が新設されますが、合計の20.315%は変わりません。

ここで重要なのがいつ課税対象になるかが会社によって違うことです。大きく2通りあります。

  1. 付与された時点で確定するタイプ…毎日のスワップがそのまま口座残高に加算され、その年の所得になります。ポジションを持ち続けていても課税されます
  2. 決済や振替をした時点で確定するタイプ…スワップは評価上の数字にとどまり、決済や振替をした年の所得になります

後者なら、決済しない限り課税を先送りできます。年をまたいで保有する予定なら、この扱いを事前に確認しておくと申告時に慌てません。なおFXは株式の特定口座やNISAの対象外なので、利益が出た年は自分で確定申告をします。

20万円の話の正確なところ

給与所得者で他に所得がない場合、年間の利益が20万円以下なら所得税の確定申告は不要とされますが、これは所得税の話であって住民税の申告は別途必要です。また損失が出た年でも、翌年以降3年間の繰越控除を使うには申告しておく必要があります。詳しい扱いはFXの税金のページにまとめています。なお私は税理士ではないので、判断に迷う部分は国税庁の情報か税理士に確認してください。

10それでもやるなら守る3つの条件

ここまでリスクを書いてきましたが、条件を守れば成立する戦略です。守るべきは3つだけです。

  1. 実効レバレッジ3倍以下…レバレッジを上げると利回りは上がりますが、耐えられる下落幅が同じ比率で減ります。長期保有では3倍が上限の目安です
  2. 証拠金維持率500%以上…短期売買の目安である300%では、長期保有で遭遇する変動に足りません。維持率500%ならドル円で約25円の下落まで耐えられます
  3. 損切りラインを最初に決める…スワップが止まるのが惜しくて切れなくなる前に、数字で決めておきます。ここを飛ばすと2の条件も意味を失います

この3つを満たす数量は、資金管理の考え方で機械的に決められます。連敗や急落に耐えられるかどうかはバルサラの破産確率表で数字にできますし、1回の損失額から適正な量を逆算する手順はpipsとロット数の関係を押さえれば難しくありません。

つまり

スワップ狙いで失敗する人の共通点は、量が多すぎることと損切りがないことです。手法そのものではありません。

関連用語をチェック!

キャリートレードスワップポイントを主目的にする戦略の総称
スワップ3倍デー3日分がまとめて付与される日。曜日は会社ごとに違う
ロールオーバースワップが発生するタイミングの正体
政策金利スワップの大小を決める大元の数字
複利運用受け取ったスワップを再投資するときの考え方
FXの税金課税のタイミングと損益通算・繰越控除
リスクオン・リスクオフ高金利通貨がまとめて売られる局面の見分け方
スワップフリー口座スワップの受け払いが発生しない口座タイプ
スワップポイントのよくある質問に答えるパンダキャラクター
STEP 03

スワップポイントに関するよくある質問

よくある質問と回答

回答が開かないときは、ページを再読み込みしてください。

スワップポイントの受け取りも支払いも発生しない口座タイプです。利息の授受を禁じるイスラム教の戒律に配慮して設けられたのが起源で、海外FX業者を中心に提供されています。向いているのは、マイナススワップを払いたくないが数日から数週間ポジションを持ちたい人です。ただし無料ではないのが実情で、スワップの代わりに保有日数に応じた管理手数料がかかる形が一般的です。一定日数までは無料でそれ以降は課金されるものもあります。スワップと手数料のどちらが安いかは保有期間で逆転するため、口座タイプを比べるときは日数を決めてから計算してください。海外FX会社ランキングでも取り扱いを確認できます。
自動で再投資される仕組みはないため、手動で数量を増やしていくことになります。ただしここで注意したいのが増やす基準です。スワップが貯まったから買い増すという進め方だと、資金に対する数量の比率が上がり続け、実効レバレッジが知らないうちに高くなります。正しいのは、資金全体に対する数量の比率を固定したまま、資金が増えたぶんだけ数量を増やす方法です。実効レバレッジ3倍と決めておけば、資金が1.5倍になったときに数量も1.5倍にするだけで済みます。複利運用の効果は残しつつ、リスクの水準は変わりません。
くりっく365は、東京金融取引所に上場している取引所FXです。スワップポイントは取引所が1つの値として決めるため、買いで受け取る額と売りで支払う額が同じになります。たとえば買いが1日50円なら、売りはマイナス50円です。店頭FXでは売り買いの差がFX会社の取り分になりますが、取引所FXにはその差がありません。預けた証拠金が取引所に預託される点も店頭FXとの違いです。一方で、取引手数料が無料の会社と有料の会社があることや、扱う通貨ペアが店頭FXの多い会社より少ないことは、口座を開く前に確認してください。
どちらも「外貨を持っていると金利が付く」点は同じですが、中身はかなり違います。外貨預金の利息は銀行が決めた預金金利で、20.315%の税金が差し引かれて課税が完了します。スワップは金利差の受け払いなので、売りで持てば支払いになり、利益はほかのFXの損益と合わせて確定申告します。コストの差も大きく、たとえば三菱UFJ銀行の米ドルは窓口の両替で往復1ドルあたり2円(インターネットバンキングは50銭)かかるのに対し、FXのドル円は日中なら0.2銭前後のスプレッドの会社が多くあります。また外貨預金は預金保険の対象外で、FXは信託保全で証拠金が守られる仕組みです。レバレッジをかけずに持てば、FXは外貨預金の低コスト版に近い使い方ができます。
同じ会社で同じ通貨ペアを買いと売りの両建てにすると、受け取るスワップより支払うスワップのほうが大きいため、差し引きでマイナスになります。そこで考えられたのが、スワップの高い会社で買い、支払いの小さい会社で売る「スワップのサヤ取り」です。値動きは打ち消し合うので、理屈の上では2社の差額だけが残ります。ただし実際には、2社のスワップは毎日変わり差が逆転する日があること、片方の口座だけが急変でロスカットされると残った側が丸裸になること、スプレッドと2口座に証拠金を分ける資金効率の悪さで、利回りはかなり削られます。仕組みは裁定取引(アービトラージ)そのもので、規約で制限している会社もあるため、始める前に両社の規約を確認してください。
名前は違いますが、似た仕組みがあります。株価指数CFDや商品CFDでは金利調整額や資金調達コストと呼ばれ、買いポジションを持ち越すと支払いになるのが一般的です。株価指数CFDにはさらに配当調整額があり、指数に含まれる銘柄の配当にあたる金額が買い方に支払われます。金(ゴールド)も同じで、金そのものは利息を生まないため、買いで持ち越すと支払いになるのがふつうです。FXの感覚で高金利通貨を買うようにCFDを長期保有すると、毎日コストだけがかかり続けます。仕組みはCFD取引のページにまとめていますが、商品ごとに名称も符号も違うので、取引条件のページで必ず確認してください。
理屈の上では、付与の時刻をまたいで持っていれば1日分(3倍デーなら3日分)が付きます。ただし付与の時刻は日本時間の早朝で、この時間帯は多くのFX会社がスプレッドを大きく広げます。たとえばヒロセ通商の米ドル/円は、午前9時から翌午前3時までは0.2銭ですが、午前3時から9時は5.9銭で、1万通貨なら往復で590円のコストになります。1日分のスワップ(1万通貨で100円前後)はもちろん、3日分でも取り返せません。さらに持っている間の値動きのリスクも残るため、付与の瞬間だけを狙う取引はほとんど成立しません。スプレッドが時間帯でどう変わるかを知っておくと、スワップ狙いの建て方そのものも変わります。
金額そのものには影響しません。スワップポイントは保有する通貨量だけで決まるため、1万通貨を持っているならレバレッジが2倍でも25倍でも受け取る額は同じです。変わるのは必要証拠金のほうで、レバレッジが高いほど少ない資金で同じ量を持てます。つまりレバレッジは、同じ資金でどれだけ多くのスワップを狙えるかを決める要素です。ここが落とし穴で、利回りを上げようとしてレバレッジを上げると、為替が逆行したときの耐久力だけが削られます。長期保有で実効レバレッジ3倍以下が目安とされるのは、この耐久力を確保するためです。

さらに学ぶ

スワップ狙いで大事なのは、受け取る額より「何円の下落まで耐えられるか」です。

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