スワップポイントとは?
「2つの貯金箱のおまけの差」で毎日もらえるお金と、その裏にあるリスク
このページでは、スワップポイントの仕組みと計算方法、付与される時間と0円になる日、通貨ペア別の利回り、そして「やめとけ」と言われる理由まで扱います。シミュレーターで、月10万円に必要な資金と、1年ぶんのスワップが何pipsの下落で消えるかをその場で確認できます。

なんとなく理解しよう!
5歳でもわかる超かんたん解説
貯金箱のお話をするね。日本の貯金箱は、お金を入れておいても1年でほんの少ししかおまけがもらえないんだ。ところが外国の貯金箱には、同じ金額を入れておくと日本の何倍ものおまけをくれるものがあるの。
じゃあ、日本の貯金箱の中身を、おまけの多い外国の貯金箱に移しちゃえばいいよね。FXではこれができるんだ。そして2つの貯金箱のおまけの差が、毎日ちょっとずつ自分のところに入ってくる。これがスワップポイントだよ。
逆向きにするとどうなると思う? おまけの多い貯金箱から少ない貯金箱へ移すと、今度は差額を毎日払うことになるんだ。これをマイナススワップと呼ぶよ。
毎日もらえるなんて最高じゃん! ずっと持っておけばどんどん増えるよね?
そこがいちばん大事なところなんだ。おまけをもらっている間に、貯金箱そのものの値段が下がることがあるんだよ。1年ためたおまけが、たった数日の値下がりで全部消えることだってある。
だからスワップポイントは、もらえる金額だけを見てはいけないんだ。「毎日いくらもらえるか」と「値段がいくら下がると、そのもらった分が消えるか」をセットで見るのが正しい使い方だよ。STEP2の道具を使えば、その2つを一度に出せるからね。
それと、おまけの量は変わることがあるよ。それぞれの国の中央銀行が「おまけの率」を決めていて、ときどき見直すんだ。日本は長いあいだおまけがほとんどゼロの国だったけど、2024年からだんだん増やしてきていて、そのぶん日本と外国の差は小さくなってきているよ。
- スワップポイント…2つの通貨の金利差から毎日生まれる受け払いのお金
- プラススワップ…高金利の通貨を買い、低金利の通貨を売ると毎日もらえる
- マイナススワップ…その逆向き。毎日支払うことになる
- いちばん大事なこと…もらえる額より、値下がりで何日分が消えるかを先に見る
スワップポイントは「毎日少しもらえる代わりに、値下がりのリスクを持ち続ける」仕組みです。

シミュレーターで数字を確かめよう!
利回りから税金まで本格解説
01スワップポイントの正体と計算式
スワップポイントとは、2つの通貨の政策金利の差から生まれる調整額のことです。金利の高い通貨を買って低い通貨を売れば毎日受け取り、その逆なら毎日支払います。理論上の計算式はシンプルです。
1日あたりのスワップ = 取引数量 × 金利差(年率)× 為替レート ÷ 365
ドル円を1万通貨、金利差2.6%、レート153円なら 10,000 × 0.026 × 153 ÷ 365 = 約109円。
ただし実際に受け取れる額はこの理論値より必ず小さくなります。FX会社がインターバンク市場から資金を調達するコストと、自社の取り分を差し引くためです。同じ通貨ペア・同じ日でも、会社によって金額が2倍以上違うことは珍しくありません。だから計算式を覚えるより、使っている会社が公表している実額を見るほうが確実です。
どのFX会社も、スワップポイントの実績値を公式サイトで毎日公表しています。探すときのキーワードは「スワップカレンダー」「スワップポイント一覧」です。1万通貨あたり1日いくらかという形で載っているので、その数字を次のシミュレーターに入れてください。
02スワップ収益シミュレーター
知りたいのは「いくらもらえるか」だけではないはずです。月10万円にはいくら必要か、そして貯めた分が何pipsの下落で消えるのか。この2つを同時に出します。
初期値(1万通貨あたり1日25円・10万通貨保有・153円・資金100万円)で出る数字を読んでみます。1日250円、1か月7,500円、1年で91,250円。資金100万円に対する年利回りは9.1%で、預金と比べれば魅力的に見えます。
ところが同じ画面に、1年ぶんのスワップが消える下落幅は91pipsと出ています。為替がたった0.91円下がるだけで、1年かけて積み上げた9万円は消えるということです。ドル円が1日で1円動くことは珍しくありません。
えっ、1年がかりで貯めたのに1円で消えるの? それ意味あるの?
意味はあるよ。ただしスワップは「単独で稼ぐもの」ではなく「為替が大きく崩れない限りプラスに働く上乗せ」なんだ。だから為替の見通しを持たずにスワップだけを狙うと、ほぼ確実に足をすくわれる。
もうひとつ見てほしいのが、月10万円に必要な数量が約133万通貨、取引金額にして2億円規模だという結果です。実効レバレッジ3倍に抑えるなら、口座には7,000万円近い資金が要る計算になります。「スワップで月10万円」という言葉の実態はこれです。
スワップは利回りではなく「消える下落幅」で判断してください。この数字が小さいほど、為替に対して無防備だということです。
03付与される時間と、0円になる日
スワップポイントはロールオーバーという処理のタイミングで付与されます。FXは本来2営業日後に通貨を受け渡す取引なので、個人が実際に受け渡さずに持ち続けるために、毎日受渡日を1日繰り延べる処理が入ります。そのときに金利差が精算されるという仕組みです。
付与の時刻は日本時間の早朝、おおむね午前6時から7時のあいだです。米国が夏時間か冬時間かで1時間ずれます。ここで大事なのは、この時刻をまたいでポジションを持っていたかどうかだけが判定基準だということ。夕方に買って翌日の昼に決済すれば付与されますが、デイトレードで当日中に手じまえば発生しません。
スワップが0円になる日がある理由
「スワップが0円だった」という状況には、いくつか違う原因があります。
- 土日はそもそも付与されない…市場が閉まっているため、週末の2日分は平日にまとめて処理されます
- 数量が少なくて切り捨てられた…1,000通貨などでは1日あたりの額が1円未満になり、表示が0円になることがあります
- 金利差がほぼ消えた…両国の政策金利が近づくと、買いも売りも0円に近づきます
- 会社側の判断…相場の混乱時や年末年始などに、一時的にスワップの提示が0になることがあります
特に2つ目は少額で始めた人がつまずきやすい点です。端数を内部で管理して数日分まとめて付与する会社と、切り捨ててしまう会社があります。少額で積み上げたいなら、ここの扱いを確認しておくと差が出ます。
042026年9月の金利差と通貨ペア別の利回り
スワップの大小は、結局のところ相手国の政策金利が日本よりどれだけ高いかで決まります。日本の政策金利は2026年6月に1.00%となりました。1995年以来およそ31年ぶりの水準です。
| 通貨ペア | 相手国の政策金利 | 対円の金利差 | 為替の安定性 | 初心者向き |
|---|---|---|---|---|
| 豪ドル円 | 4.35% | 約3.35% | やや高い | ◎ |
| ドル円 | 3.50〜3.75% | 約2.50〜2.75% | 高い | ◎ |
| NZドル円 | 2.75% | 約1.75% | やや高い | ○ |
| メキシコペソ円 | 6.50% | 約5.50% | やや低い | △ |
| トルコリラ円 | 37.00% | 約36% | 低い | × |
各国の政策金利は2026年9月14日時点で確認できた値です。日本の1.00%との差を「対円の金利差」として表示しています。受け取れる実額はFX会社と為替レートによって変わります。
日本銀行は2026年9月17日から18日にかけて金融政策決定会合を開きます。市場では1.25%への追加利上げが有力視されており、実現すれば上の表の金利差はすべて0.25%ずつ縮小します。中央銀行の会合はスワップが変わる日であると同時に、相場が大きく動く日でもあります。
表を見るときのコツは、金利差の列と安定性の列を必ずセットで読むことです。トルコリラ円の金利差36%は圧倒的ですが、これはそれだけの利回りを付けなければ誰も持ってくれない通貨だという市場の評価でもあります。高金利通貨はリスクオフの局面でまとめて売られる傾向があり、主要通貨とは値動きの性格が違います。
意外に思われるかもしれませんが、2026年9月時点では豪ドル円の金利差がドル円を上回っています。かつては「スワップといえばドル円」でしたが、通貨ペアごとの順位は固定ではありません。過去の記事の順位をそのまま信じないでください。
05なぜ「やめとけ」と言われるのか
スワップポイントを調べると、検索候補に「やめとけ」「おすすめしない」が並びます。感情的な意見ではなく、数字で説明できる理由が3つあります。
理由1:リスクとリターンが非対称
スワップは毎日少しずつ、上限のある形で積み上がります。一方で為替の下落には上限がありません。上がり方は直線、下がり方は崖という形です。シミュレーターの「消える下落幅」が91pipsという数字は、この非対称性をそのまま表しています。
理由2:損切りしにくい心理が働く
これがいちばん実害の大きい理由です。「決済したらスワップが止まってしまう」という気持ちが、損切りをためらわせます。通常のトレードなら切れる含み損を、スワップ狙いというだけで持ち続けてしまう。結果としてロスカットまで行き着きます。
理由3:2024年8月に実際に起きた
この3つ目が決定的です。2024年、ドル円は7月3日に161円95銭をつけたあと反転し、8月5日には141円70銭まで下げました。約1か月で20円、2,000pipsの下落です。
きっかけは段階的でした。7月11日と12日に通貨当局による介入と見られる円買いが入り、7月31日の日銀会合で追加利上げが決定、さらに米FRBが9月の利下げ検討を示唆したことで加速します。7月31日時点のドル円は150円前後で、そこから8月5日まで3営業日で約8.3円(830pips)下げました。
1万通貨あたり1日25円のスワップを10万通貨で受け取っていた場合、2,000pipsの下落による損失は200万円。これに対して1年ぶんのスワップは9万円です。22年分のスワップ収入が1か月で消えた計算になります。この局面で退場した人の多くは、損切りを置いていませんでした。円キャリートレードの巻き戻しと呼ばれる現象です。
付け加えると、日銀が利上げするたびに同じ規模の下落が起きるわけではありません。2024年8月は介入・日銀利上げ・米国の景気懸念が重なった結果です。ただしボラティリティが跳ね上がる日は事前に分かるので、会合の前に量を落とすだけでも当たる確率は下げられます。
「やめとけ」は手法の否定ではなく、損切りを置かない運用への警告です。置けるなら成立します。
06スワップ3倍デーと、業者ごとの差
土日は市場が閉まっているため、週のどこかで3日分のスワップがまとめて付与される日があります。スワップ3倍デーと呼ばれ、多くの会社では水曜日から木曜日にかけてのロールオーバーで処理されます。ただし付与される曜日は会社によって異なるため、必ず自分の口座の規定を確認してください。祝日が絡む週は4日分・5日分になることもあります。
前日に買って当日に売れば3日分だけ取れる、と考えたくなりますが実務では成立しにくい手法です。同じことを狙う注文が集中してスプレッドが広がりやすく、3日分のスワップがコストで相殺されます。さらに決済のタイミング次第では付与されないこともあります。
そして長期でいちばん効いてくるのがFX会社ごとのスワップの差です。同じ通貨ペアでも、1日あたりの受取額が会社間で2倍以上違うことがあります。1万通貨で1日10円の差でも、10万通貨を1年持てば36,500円の差になります。
- 過去1年ぶんの推移が公開されているか…その日の値だけ高い会社より、水準が安定している会社のほうが長期では有利です
- 買いと売りのスワップ差が小さいか…差が大きいほど、実質的な手数料が高いということです
- 少額での端数がどう扱われるか…切り捨てられるか、繰り越して付与されるかで結果が変わります
各社の条件は国内FX会社ランキングで比較できます。スプレッドより先にスワップ実績を見るべきなのが、長期保有を前提にした会社選びの特徴です。
07スワップポイントと税金
スワップポイントの利益も、為替差益と同じく課税の対象です。国内FX会社を使う場合は申告分離課税で一律20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)となります。
ここで重要なのがいつ課税対象になるかが会社によって違うことです。大きく2通りあります。
- 付与された時点で確定するタイプ…毎日のスワップがそのまま口座残高に加算され、その年の所得になります。ポジションを持ち続けていても課税されます
- 決済した時点で確定するタイプ…ポジションを決済するまでスワップは評価上の数字にとどまり、決済した年の所得になります
後者なら、決済しない限り課税を先送りできます。年をまたいで保有する予定なら、この扱いを事前に確認しておくと申告時に慌てません。
給与所得者で他に所得がない場合、年間の利益が20万円以下なら所得税の確定申告は不要とされますが、これは所得税の話であって住民税の申告は別途必要です。また損失が出た年でも、翌年以降3年間の繰越控除を使うには申告しておく必要があります。詳しい扱いはFXの税金のページにまとめています。なお私は税理士ではないので、判断に迷う部分は国税庁の情報か税理士に確認してください。
08それでもやるなら守る3つの条件
ここまでリスクを書いてきましたが、条件を守れば成立する戦略です。守るべきは3つだけです。
- 実効レバレッジ3倍以下…レバレッジを上げると利回りは上がりますが、耐えられる下落幅が同じ比率で減ります。長期保有では3倍が上限の目安です
- 証拠金維持率500%以上…短期売買の目安である300%では、長期保有で遭遇する変動に足りません。維持率500%ならドル円で25円の下落まで耐えられます
- 損切りラインを最初に決める…スワップが止まるのが惜しくて切れなくなる前に、数字で決めておきます。ここを飛ばすと2の条件も意味を失います
この3つを満たす数量は、資金管理の考え方で機械的に決められます。連敗や急落に耐えられるかどうかはバルサラの破産確率表で数字にできますし、1回の損失額から適正な量を逆算する手順はpipsとロット数の関係を押さえれば難しくありません。
スワップ狙いで失敗する人の共通点は、量が多すぎることと損切りがないことです。手法そのものではありません。

スワップポイントに関するQ&A
よくある質問と回答
さらに学ぶ
スワップ狙いで大事なのは、受け取る額より「何円の下落まで耐えられるか」です。
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