バルサラの破産確率表とは?計算ツールで「あなたの破産確率」を出す手順とリスク率別の早見表

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わからない前提で解説 5歳でもなんとなく分かるFX用語!

バルサラの破産確率表とは?
「RPGの冒険前の装備チェック」でわかる、退場しないリスク率の決め方

無料ツール あなたの破産確率を今すぐ計算する スライダー3本を動かすだけ・アプリ不要

このページでは、バルサラの破産確率表、破産確率、生存曲線、ケリー基準について、FX初心者にもわかりやすく解説します。スライダーを動かすだけの計算ツール、リスク率1〜20%の早見表、エクセルとPythonでの求め方、レバレッジからの換算まで、このページだけで自分の破産確率を確かめられます。

バルサラの破産確率表の基本を解説するパンダキャラクター
STEP 01
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なんとなく理解しよう!

5歳でもわかる超かんたん解説

RPGのゲームで冒険に出る前、「このHPと装備で、あのダンジョンから生きて帰れるかな?」って考えるよね。バルサラの破産確率表は、それをお金の世界でやるための攻略表なんだ。バルサラの破産確率表は、「このやり方で戦い(トレード)を続けたら、いつかHP(お金)がゼロになってゲームオーバーになる確率」を、たった3つの数字から教えてくれる表だよ。

使う数字は、この3つだけ。1つ目は勝率。10回戦って4回勝てるなら40%で、「どれくらいの割合で勝てるか」を表すよ。2つ目はペイオフレシオ。勝ったときにもらえる金貨が、負けたときに落とす金貨の何倍かのことで、勝つと2枚もらえて負けると1枚落とすなら2.0だよ。3つ目はリスク率。1回の戦いで、持っているHPの何%を賭けるかのことで、HP100のうち2ずつ賭けるなら2%だよ。

この3つを表に当てはめると、「最後にゲームオーバーになる確率」がわかるの。これを破産確率というよ。破産確率は、同じやり方でずーっと戦い続けたときに、いつかお金がぜんぶなくなってしまう確率のことなんだ。FXでは、お金がなくなってトレードを続けられなくなることを退場って呼ぶよ。

1回に減らすHPが小さいほど、長く冒険を続けられる リスク率2%:1回に2ずつ減る 50回続けて負けるまでゼロにならない リスク率10%:1回に10ずつ減る 10回続けて負けるとゼロ リスク率20%:1回に20ずつ減る たった5回続けて負けるだけでゼロ ※最初のHP(資金)100を基準に、毎回同じ量ずつ減る場合

同じ腕前でも、1回に賭けるHP(リスク率)が大きいほど、少ない連敗でゲームオーバーになる。

図を見てね。HP100の勇者が1回に2ずつしか賭けないなら、50回続けて負けるまでゼロにならない。でも1回に20ずつ賭けると、たった5回続けて負けただけでゲームオーバー。腕前(勝率とペイオフレシオ)が同じでも、1回に賭ける量を変えるだけで、生き残れる確率はまるで変わるんだ。これがこの表のいちばん大事な教えだよ。

質問するパンダの生徒
パンダくん

強い勇者なら、HPをいっぺんにたくさん賭けても大丈夫なんじゃないの?

回答するパンダの先生
パンダ先生

どんなに強い勇者でも、5回、6回と負けが続くことはふつうにあるんだよ。いっぺんにたくさん賭けていると、その運の悪い数回だけで冒険が終わってしまう。強い勇者ほど、HPを少しずつしか賭けないんだ。

もうひとつ、生存曲線という言葉も覚えておこう。生存曲線は、100人の勇者が同じやり方で冒険を始めたとき、「10回戦ったあと何人残っているか」「100回戦ったあと何人残っているか」を線でつないだグラフのことだよ。危ない賭け方をしている勇者たちは、最初のほうでどんどんいなくなるから、線がすぐに下がっていくんだ。

そしてケリー基準。ケリー基準は、「いちばん早くレベルアップできる賭け方」を計算で出す方法だよ。ただ、それはギリギリを攻める賭け方で、ちょっとでも読みがはずれると大ケガをする。だから大人のトレーダーは、ケリー基準の半分や4分の1くらいに減らして使うんだ。

つまり、バルサラの破産確率表を整理すると…

バルサラの破産確率表:勝率・ペイオフレシオ・リスク率から、いつか資金がゼロになる確率を出す表。

破産確率:同じやり方で取引を続けたとき、いつか資金が尽きる確率。

リスク率:1回の取引で失う金額が、資金の何%か。表の結果をいちばん大きく動かす数字。

生存曲線:取引回数ごとに、まだ破産していない人の割合を描いたグラフ。

ケリー基準:資金を最も速く増やせる賭け率。実際はその半分以下にして使う。

バルサラの破産確率表の計算方法を解説するパンダキャラクター
STEP 02

さらに深掘ってマスターしよう!

計算ツールと数式で本格解説

01バルサラの破産確率表とは?原典と3つの数字

バルサラの破産確率表とは、勝率・ペイオフレシオ・リスク率の3つの数字から、同じ条件で取引を続けたときに資金が尽きる確率を一覧にした表です。考案者はナウザー・バルサラ(Nauzer J. Balsara)で、1992年の著書『Money Management Strategies for Futures Traders』(Wiley)で示されました。英語では一般に「Risk of Ruin(リスク・オブ・ルイン)」と呼ばれます。

もとは先物トレーダー向けの資金管理の本ですが、考え方は取引の種類を選びません。FXでは、自分の資金管理が安全かどうかを、感覚ではなく数字で確かめる道具として定着しています。腕前を1つの数字ではなく、3つの数字の組み合わせとして評価するのがこの表の特徴です。

  1. 勝率…勝ちトレードの回数÷全トレード数。10回中4回勝てば40%です。相場環境で変わる数字なので、最低30回、できれば100回以上の記録から出します(勝率の詳しい見方)
  2. ペイオフレシオ…勝ちトレードの平均利益÷負けトレードの平均損失。平均2万円勝って平均1万円負けるなら2.0です。狙う利益と損失の比率(リスクリワード)を、実際の成績で測り直した数字ともいえます(ペイオフレシオの計算方法)
  3. リスク率…1回の損切りで失う金額÷口座資金。100万円の口座で1回2万円まで負けてよいなら2%です
用語の対応

検索では損失許容率・資金率・投入資金の割合という言い方も使われますが、いずれも本ページのリスク率と同じものです。1回の取引で失ってもよい金額が、口座資金の何%かを表します。

ペイオフレシオとプロフィットファクターは別物

取引ツールの成績表によく出るプロフィットファクター(総利益÷総損失)を、ペイオフレシオの欄に入れてはいけません。勝率40%・ペイオフレシオ2.0の手法なら、プロフィットファクターは1.33です。1.33をペイオフレシオとして計算すると損益分岐の1.5を下回り、本当は黒字の手法なのに破産確率100%と出てしまいます。変換するときは「ペイオフレシオ=プロフィットファクター×(1−勝率)÷勝率」です(プロフィットファクターとは)。

原典の表と、ネットでよく見る表の違い

破産の確率は、原典の2章目にあたる「The Dynamics of Ruin(破産の力学)」で扱われています。原典に載っている表は、1回にリスクにさらす資金の割合が100%・50%・33.33%・25%・20%・10%の6枚で、横軸がペイオフレシオ(1〜10)、縦軸が勝率(5〜90%)です。よく見る「リスク率1%」「2%」の表は原典には無く、同じ考え方で後から計算されたものです。「本物の表はどれか」と迷ったら、この違いを思い出してください。

本ページの計算は原典と同じ考え方の方程式を使っているため、たとえば原典の「資金の100%・勝率90%・ペイオフレシオ10」の欄の値(0.100=10%)と、本ページの式の答え(10.0%)は一致します。一方で、計算方法が違う表も出回っているため、表によって数字が食い違うことがあります(理由は05で説明します)。

02破産確率シミュレーター|3つの数字を動かすだけスクリプト未起動

いちばん上の数字が、あなたの破産確率です。勝率とペイオフレシオは自分のトレード記録から、リスク率は自分で決める数字です。まずは記録どおりの数字に合わせ、リスク率だけを動かしてみてください。計算は05で紹介する方程式で行い、スマホでも専用アプリなしでそのまま使えます。

あなたの破産確率(注意ゾーン) 2.0% 100人中約2人が資金を失う計算です
1%未満にするには4.2%以下 破産までの連敗20連敗
スライダーやボタンを動かすと、すぐ変わります
40%
10%50%90%
2.0倍
0.22.65.0
5.0%
0.5%10%20%
例
くわしく設定する(上級者向け)
計算のしかたは?
どこまで減ったら破産とする?

数字の欄はスライダーの範囲外(勝率1〜99%・ペイオフレシオ0.05〜20・リスク率0.1〜50%)も入れられます。破産ラインの「半分」は資金が半分まで減ったら撤退、「9割」は資金の10%減で失格(プロップファームの審査向け)という意味です。複利では資金がゼロにならないため、「ゼロ」を選ぶと自動で「半分」になります。

損益分岐のペイオフレシオ:1.50 / 10連敗したあとの残高:50%

計算の中身:方程式の解 x=0.8229 / 資金の単位数=20 / 1回の期待値=損失額の+0.20倍

勝率とペイオフレシオが一定で、1回の損失がリスク率どおりに収まる前提の計算です。記録より少し悪い数字でも試しておくと安全です。

※このページのスクリプトが動いていません(診断コードS1)。※計算ツールのスクリプトが最後まで読み込まれていません(診断コードS2)。ページを再読み込みしてください。

試してほしい動かし方

初期値の勝率40%・ペイオフレシオ2.0・リスク率5%は、破産確率2.0%の注意ゾーンです。リスク率を2%に下げると0.01%未満の安全ゾーンに入り、10%に上げると14.2%、20%では37.7%まで跳ね上がります。腕前は1ミリも変えていないのに、1回に賭ける量だけで危険度がまるで変わるのがこの表の教えです。例の「勝率35%」を押すと、2%ルールを守っていても8.4%まで上がることがわかります。「くわしく設定する」では、複利での計算や、資金が半分になったら撤退するといった破産ラインも選べます(08・13で解説)。

03リスク率1〜20%別|破産確率の早見表

勝率30〜70%・ペイオフレシオ0.5〜3.0の組み合わせを、リスク率1%・2%・3%・5%・10%・20%の6枚にまとめました。タブを切り替えると、同じ腕前でもリスク率を上げるだけで表の色がまるごと塗り替わることがわかります。

1%未満(安全) 1〜10%(注意) 10%以上(危険) 100%(期待値マイナスかゼロ)

スマホでは表を横にスクロールできます(左端の勝率の列は固定されます)。

リスク率

リスク率1%の早見表(1回の損失=資金の1%)

勝率\ペイオフレシオ0.50.81.01.21.52.02.53.0
30%100%100%100%100%100%100%1.9%<0.01%
35%100%100%100%100%100%0.70%<0.01%<0.01%
40%100%100%100%100%100%<0.01%<0.01%<0.01%
45%100%100%100%100%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
50%100%100%100%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
55%100%100%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
60%100%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
65%100%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
70%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%

リスク率2%の早見表(1回の損失=資金の2%)

勝率\ペイオフレシオ0.50.81.01.21.52.02.53.0
30%100%100%100%100%100%100%13.8%0.16%
35%100%100%100%100%100%8.4%0.02%<0.01%
40%100%100%100%100%100%<0.01%<0.01%<0.01%
45%100%100%100%100%0.03%<0.01%<0.01%<0.01%
50%100%100%100%0.02%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
55%100%100%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
60%100%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
65%100%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
70%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%

リスク率3%の早見表(1回の損失=資金の3%)

勝率\ペイオフレシオ0.50.81.01.21.52.02.53.0
30%100%100%100%100%100%100%26.7%1.4%
35%100%100%100%100%100%19.1%0.31%0.02%
40%100%100%100%100%100%0.15%<0.01%<0.01%
45%100%100%100%100%0.41%<0.01%<0.01%<0.01%
50%100%100%100%0.39%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
55%100%100%0.12%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
60%100%0.12%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
65%100%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
70%0.11%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%

リスク率5%の早見表(1回の損失=資金の5%)

勝率\ペイオフレシオ0.50.81.01.21.52.02.53.0
30%100%100%100%100%100%100%45.3%7.7%
35%100%100%100%100%100%37.1%3.1%0.67%
40%100%100%100%100%100%2.0%0.23%0.06%
45%100%100%100%100%3.7%0.12%0.02%<0.01%
50%100%100%100%3.6%0.14%<0.01%<0.01%<0.01%
55%100%100%1.8%0.09%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
60%100%1.8%0.03%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
65%100%0.02%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%
70%1.7%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%

リスク率10%の早見表(1回の損失=資金の10%)

勝率\ペイオフレシオ0.50.81.01.21.52.02.53.0
30%100%100%100%100%100%100%67.3%27.7%
35%100%100%100%100%100%60.9%17.6%8.2%
40%100%100%100%100%100%14.2%4.8%2.5%
45%100%100%100%100%19.2%3.4%1.3%0.76%
50%100%100%100%19.0%3.7%0.81%0.36%0.23%
55%100%100%13.4%3.0%0.71%0.19%0.09%0.06%
60%100%13.3%1.7%0.46%0.13%0.04%0.02%0.02%
65%100%1.3%0.20%0.06%0.02%<0.01%<0.01%<0.01%
70%13.0%0.11%0.02%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%<0.01%

リスク率20%の早見表(1回の損失=資金の20%)

勝率\ペイオフレシオ0.50.81.01.21.52.02.53.0
30%100%100%100%100%100%100%82.0%52.6%
35%100%100%100%100%100%78.0%42.0%28.6%
40%100%100%100%100%100%37.7%21.9%15.8%
45%100%100%100%100%43.8%18.5%11.5%8.7%
50%100%100%100%43.6%19.3%9.0%6.0%4.8%
55%100%100%36.7%17.4%8.4%4.3%3.1%2.5%
60%100%36.4%13.2%6.7%3.6%2.0%1.5%1.3%
65%100%11.3%4.5%2.5%1.4%0.88%0.69%0.61%
70%36.1%3.2%1.4%0.86%0.53%0.36%0.29%0.27%

計算条件:定額(毎回、最初の資金の◯%ずつ失う)・破産=資金ゼロ。<0.01%は0.01%未満の意味です。

読み方は、自分の勝率の行とペイオフレシオの列が交わるマスを見るだけです。たとえば勝率40%・ペイオフレシオ2.0なら、リスク率2%では0.01%未満ですが、10%では14.2%です。左下に広がる灰色のマスは、リスク率をどれだけ下げても色が変わりません。資金管理では救えない、手法そのものの問題だからです(04で解説)。

よく言われる2%ルール(1回の損失を資金の2%までにする考え方)も、万能ではありません。2%の表を見ると、勝率30%・ペイオフレシオ2.5は13.8%、勝率35%・ペイオフレシオ2.0は8.4%です。勝率が低い手法ほど連敗が長くなりやすく、2%でも危険な組み合わせがあることを覚えておいてください。

表を手元に置きたいとき

早見表のファイルを探すより、このページの表をドラッグ(スマホは長押し)で選んでコピーし、エクセルやスプレッドシートに貼り付けるのが早道です。勝率やペイオフレシオの刻みを自分の成績に合わせたい場合は、06の式で自分専用の表を作れます。

04破産確率とは?「100%」「0.01%未満」の正しい読み方

破産確率とは、同じ条件で取引を限りなく続けたとき、いつか資金が尽きる確率です。「100回取引したら破産する確率」ではなく、回数を決めない「いつか」の確率である点に注意してください。何回目までに破産しやすいかは、09の生存曲線で確かめます。

破産確率を決める大前提は、1回あたりの期待値です。損失額を1としたとき、期待値は「勝率×ペイオフレシオ−(1−勝率)」で求まります。勝率40%・ペイオフレシオ2.0なら0.4×2.0−0.6=+0.2で、1回あたり損失額の2割ずつ増えていく計算です。

期待値がマイナスなら、リスク率では救えない

期待値がゼロ以下の手法は、無限に続ければ必ず資金が尽きるため、リスク率をどれだけ小さくしても破産確率は100%です。ロットを小さくすると破産までの時間が延びるだけで、結末は変わりません。資金管理は負ける手法を勝てる手法に変える道具ではなく、勝てる手法を勝ち切るまで生き延びさせる道具です。手法そのものの優位性はエッジと呼ばれます。

期待値がちょうどゼロになるペイオフレシオを損益分岐ペイオフレシオと呼び、「(1−勝率)÷勝率」で求まります。勝率40%なら1.50、50%なら1.00、60%なら0.67、70%なら0.43です。リスクリワードを決めるとき、この値を下回る計画は最初から成り立ちません。

損益分岐ペイオフレシオ:線より上なら期待値プラス 線の式:ペイオフレシオ=(1−勝率)÷勝率 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% ペイオフレシオ 勝率 期待値プラス (破産確率は100%未満) 期待値マイナス (破産確率は100%) A 勝率40%×2.0 B 勝率60%×0.5 C 勝率50%×1.0(ちょうど0)

線より上(緑)なら期待値プラスで、リスク率しだいで破産確率を下げられる。線より下(赤)はどのリスク率でも破産確率100%。

本ページでは、破産確率1%未満を安全、1〜10%を注意、10%以上を危険としています。1%は「同じ条件のトレーダーが100人いれば1人が退場する」水準です。0.01%未満は1万人に1人未満ですが、ゼロではありません。表の前提が崩れると一気に上がる(11で解説)ので、「0.01%未満だから絶対に大丈夫」とは考えないでください。

つまり

先に期待値がプラスかを確かめ、プラスなら次にリスク率で破産確率を1%未満に収める。この順番を逆にしないことが、破産確率の正しい使い方です。

05バルサラの破産確率の計算式と導出

本ページの計算ツールと早見表は、次の2つの式で計算しています。式を先に公開しているので、表とツールの数字は必ず一致し、自分でも検算できます。

1x =(1 − 勝率)+ 勝率 × x の(ペイオフレシオ + 1)乗 2破産確率 = x の(1 ÷ リスク率)乗 式1を満たす、0より大きく1より小さい x を求めて式2に入れます。リスク率は小数で入れるので、2%なら1÷0.02=50乗です。期待値(勝率×ペイオフレシオ−(1−勝率))がゼロ以下のときは、破産確率は100%になります。

例として勝率50%・ペイオフレシオ2.0を解くと、式1は「x=0.5+0.5×xの3乗」になり、x=0.618(黄金比の逆数)です。リスク率10%なら0.618の10乗で0.81%、リスク率20%なら0.618の5乗で9.0%になります。これが早見表の数字の正体です。

式の導出:なぜこの形になるのか

資金を「1回の損失額」を単位にして数えます。リスク率2%なら、資金は損失50回分=50単位です。1回ごとに、勝率の確率で+ペイオフレシオ単位、残りの確率で−1単位動きます。負けは必ず1単位ずつなので、50単位から0に落ちるには「1単位減る」を50回くり返すしかありません。

そこで、今いる場所から1単位下まで落ちる確率を x とします。50単位から資金ゼロに着く確率は、1単位落ちることを50回重ねた x の50乗です。これが式2です。

では x はいくつか。最初の1回で負ければ(確率は1−勝率)、その場で1単位落ちます。勝てば(確率は勝率)ペイオフレシオ分だけ上に行き、そこから(ペイオフレシオ+1)単位落ちなければならないので、その確率は x の(ペイオフレシオ+1)乗です。この2つを足したものが x そのものになる、というのが式1です。

質問するパンダの生徒
パンダくん

式1の x って、けっきょく何なの?

回答するパンダの先生
パンダ先生

「今いる段から、1段だけ下に落ちてしまう確率」だよ。負けは1段ずつしか落ちないから、50段下の地面(資金ゼロ)に着く確率は、1段落ちる確率を50回かけ合わせたものになるんだ。

計算の細かい前提

ペイオフレシオが整数でない場合や、1÷リスク率が割り切れない場合(3%なら33.3単位)は、最後の1回で資金がちょうどゼロではなく少しマイナスまで落ちます。このとき式2の値はほんの少しだけ大きめ(安全側)になりますが、実用上の差はありません。

サイトによって数字が違う5つの理由

他サイトの表と見比べて数字が合わないときは、次の5点のどれかが違っていることがほとんどです。

  • 近似式か、方程式か…標準偏差を使う近似式で計算した表もあります。勝率50%・ペイオフレシオ2.0・リスク率10%は、方程式では0.81%、よく使われる近似式では1.6%です
  • 定額か、複利か…毎回最初の資金の◯%を失うか、その時点の資金の◯%を失うかで変わります(08で解説)
  • 破産の定義…資金ゼロで数えるか、資金が半分になった時点で数えるかで、数字は何倍も変わります(08で解説)
  • ペイオフレシオの取り違え…プロフィットファクターを入れると、まったく別の数字になります(01で解説)
  • リスク率の取り違え…証拠金が資金の何%かではなく、1回の損切りで失う金額が資金の何%かで数えます(07で換算のしかたを解説)

式と前提を公開している表どうしなら、数字は必ず一致します。どちらが正しいか迷ったら、前提が書かれているほうを信用してください。

06エクセル・スプレッドシート・Pythonで計算する方法

式1は手計算では解けませんが、エクセルやGoogleスプレッドシートなら、同じ計算を何百回もくり返すだけで x が求まります。特別な関数やマクロは不要で、下の手順どおりに入力すれば、5分で自分専用の計算表ができます。

  1. 条件を入力する…B1に勝率(例:0.4)、B2にペイオフレシオ(例:2)、B3にリスク率(例:0.05)を入力します。%ではなく小数で入れてください
  2. くり返し計算の1行目を作る…A1に0を入力し、A2に次の式を入力します=(1-$B$1)+$B$1*A1^($B$2+1)
  3. 下へコピーする…A2のセルをA1000までコピーします。下へ行くほど x の正しい値に近づき、1,000行あれば十分な精度になります
  4. 破産確率を出す…空いているセルに次の式を入れ、表示形式をパーセントにします=A1000^(1/$B$3)
  5. 検算する…勝率0.4・ペイオフレシオ2・リスク率0.05で2.0%、リスク率0.02で0.0058%(0.01%未満)になれば正解です
Microsoft 365とGoogleスプレッドシートなら1セルで

REDUCE関数が使える環境では、次の1つの式で同じ計算ができます。

=REDUCE(0,SEQUENCE(1000),LAMBDA(x,i,(1-B1)+B1*x^(B2+1)))^(1/B3)

自分専用の早見表を作る(表の作り方)

REDUCE関数を使えば、03のような早見表も数分で作れます。勝率とペイオフレシオの刻みを、自分の成績の近くに細かく並べられるのが自作の利点です。

  1. 見出しを並べる…A2から下へ勝率(0.3、0.35、0.4…)、B1から右へペイオフレシオ(0.5、1、1.5…)を入力し、K1にリスク率(例:0.02)を入力します
  2. B2に式を入れる…次の式を入力します=REDUCE(0,SEQUENCE(1000),LAMBDA(x,i,(1-$A2)+$A2*x^(B$1+1)))^(1/$K$1)
  3. 表全体へコピーする…B2を右と下へコピーし、表示形式をパーセントにします。K1を変えれば、表がまるごと別のリスク率に切り替わります

Pythonなら4行で計算できる

プログラミングで自分の検証ツールに組み込みたい場合は、同じくり返し計算を書くだけです。Python 3でそのまま動きます。

p, R, r = 0.4, 2.0, 0.05 # 勝率・ペイオフレシオ・リスク率 x = 0.0 for i in range(1000): x = (1 - p) + p * x ** (R + 1) print(x ** (1 / r)) # 0.0202...(約2.0%)
ゴールシークで解くと失敗しやすい理由

式1は、x=1のときも必ず成り立ちます(1=(1−勝率)+勝率×1)。そのため、ゴールシークやソルバーで解くと初期値によっては x=1が返ってきて、本当は黒字の手法でも破産確率100%と表示されることがあります。0から出発してくり返す上の方法なら、この失敗は起きません。

なお、期待値がゼロに近い組み合わせ(勝率40%・ペイオフレシオ1.52など)は、x の値が落ち着くまでに時間がかかります。そのときはくり返しの回数(1000)を3,000まで増やしてください。

07理想のリスク率は?破産確率を1%未満に抑える上限

リスク率と破産確率の関係は直線ではありません。下の図のとおり、勝率40%・ペイオフレシオ2.0では、リスク率2%で0.01%未満、3%で0.15%、5%で2.0%、10%で14.2%と、ある点を境に急に跳ね上がります。

リスク率を上げると破産確率は急に跳ね上がる ペイオフレシオ2.0・定額・破産=資金ゼロで計算 0% 10% 20% 30% 40% 0% 5% 10% 15% 20% 破産確率 リスク率(1回の損失額÷資金) 2%ルール 勝率40% 勝率50% 2.0% 14.2% 37.7% 0.81% 9.0%

リスク率が小さいうちは破産確率はほぼゼロのまま。勝率40%では5%あたりから、勝率50%でも10%を超えたあたりから急に増え始める。

では、どこまでなら許されるのか。破産確率が1%未満に収まるリスク率の上限を計算したのが次の表です。記録から出した勝率やペイオフレシオは、実力より良く出ていることが多い(11で解説)ため、右の列の上限の半分を実務の目安にしています。

勝率ペイオフレシオ1%未満に収まる上限実務の目安(上限の半分)
30%3.02.7%1.3%
35%2.53.7%1.8%
40%2.04.2%2.1%
40%2.56.5%3.2%
45%2.07.3%3.6%
50%1.23.6%1.8%
50%1.57.1%3.5%
50%2.010.4%5.2%
60%0.84.3%2.1%
60%1.08.8%4.4%
70%0.54.4%2.2%

定額・破産=資金ゼロで計算。小数第2位以下は切り捨て。黄色は実務の目安が2%を下回る組み合わせです。

表を見ると、2%ルールは多くの組み合わせで上限の半分と同じか、それより控えめな水準です。一方、勝率30〜35%のトレンドフォロー型や、ペイオフレシオが損益分岐に近い手法では、目安が1%台まで下がります。勝率が低い手法ほど、リスク率は1%前後から始めるのが安全です。

レバレッジからリスク率を換算する

レバレッジとリスク率は別の数字ですが、損切り幅を決めると1本の式でつながります。リスク率=実効レバレッジ×損切り幅(価格に対する割合)です。実効レバレッジは「取引金額÷口座資金」で、口座の設定倍率ではなく実際に持っている量で決まります。

  • 計算例…資金100万円で、158円のドル円を10万通貨持つと取引金額は1,580万円、実効レバレッジは15.8倍です。損切りを50pips(0.5円)先に置くと、価格に対する損切り幅は0.5÷158=約0.32%で、リスク率は15.8×0.32%=約5.0%(5万円÷100万円)になります
  • 国内の上限25倍を使い切ると…同じ50pipsの損切りでもリスク率は約7.9%です。勝率40%・ペイオフレシオ2.0なら破産確率は8.5%の注意ゾーンに入ります
  • 逆算する…リスク率2%・損切り50pipsなら、実効レバレッジは約6.3倍(2%÷0.32%)が上限です。損切り幅が広いほど、持てる量は減ります

同じレバレッジでも、損切り幅が2倍ならリスク率も2倍です。「レバレッジ◯倍なら安全」とは言い切れず、損切り幅とセットで考える必要があります。

少ない資金で小さなリスク率を守るには、1回の取引量を細かく調整できる口座が必要です。10万円の口座でリスク率1%(1,000円)、損切り幅30pipsのドル円なら、取引量は約3,300通貨です。最小取引単位が1,000通貨の口座では3,000通貨、1通貨単位の口座なら3,333通貨まで合わせられます。

08定額と複利で破産確率はどう変わる?

バルサラの破産確率表は、最初の資金を基準に毎回同じ金額を失う定額法を前提にしています。100万円でリスク率2%なら、資金が増えても減っても1回の損失は2万円です。これに対してFXでよく使われるのは、その時点の資金の◯%を失う定率法で、資金が増えれば1回の損失額も増える、いわば複利の賭け方です。

違いがいちばん出るのは負けが続いたときです。リスク率5%で10連敗すると、定額では資金が50%まで減りますが、定率では毎回の損失が小さくなっていくので59.9%残ります。20連敗なら定額は資金ゼロ、定率は35.8%です。定率は計算上、資金がゼロにならないため、破産を「資金が◯%減ったら」と決め直す必要があります。

計算の前提破産確率
定額・破産=資金ゼロ(原典と同じ)2.0%
定額・破産=資金が半分14.2%
複利・破産=資金が半分12.9%

勝率40%・ペイオフレシオ2.0・リスク率5%で計算。

同じ腕前・同じリスク率でも、破産ラインを資金ゼロから資金半分に変えるだけで、破産確率は2.0%から14.2%へ約7倍になります。現実のトレーダーの多くは、資金ゼロより手前で心が折れて取引をやめます。自分が本当に続けられなくなるラインで計算するほうが、実態に近い数字になります。計算ツールの「くわしく設定する」で、計算のしかたと破産ラインを切り替えられます。

質問するパンダの生徒
パンダくん

複利ならお金がゼロにならないんでしょ? じゃあ複利のほうが安全ってこと?

回答するパンダの先生
パンダ先生

ゼロにはならないけど、負けるたびに1回の賭け金も小さくなるから、取り返すのに時間がかかるんだ。半分まで減ったら、元に戻すには2倍に増やさなきゃいけない。「ゼロにならない」と「続けられる」は別の話なんだよ。

本ページのツールは、複利を選んだ場合、1回ごとの資金の増え方を掛け算の倍率に置き換えて、05と同じ方程式で解いています。ペイオフレシオが大きく、リスク率が高いほど、定額との差が大きくなります。

09生存曲線とは?試行回数で見ると破産は最初の100回に集中する

生存曲線とは、同じ条件で取引を始めた大勢のトレーダーのうち、◯回目の時点でまだ破産していない人の割合を、取引回数(試行回数)ごとにつないだグラフです。破産確率が「最終的に何人が脱落するか」を表すのに対し、生存曲線は「いつ脱落するか」を見せてくれます。

生存曲線:まだ破産していない人の割合 勝率40%・ペイオフレシオ2.0・定額・破産=資金ゼロで計算 60% 70% 80% 90% 100% 0回 50回 100回 150回 200回 生き残っている割合 リスク率 取引回数(試行回数) 2% 5% 10% 20%

線の高さは、同じ条件のトレーダーが何割残っているかを示す。脱落のほとんどは序盤に起き、その後は線が横ばいになる。

勝率40%・ペイオフレシオ2.0で比べると、リスク率20%では10回目までに13%、20回目までに25%が脱落し、最終的な破産確率37.7%のうち約3分の2が最初の20回で起きます。リスク率10%でも、最終的な14.2%のうち9割近くが100回目までに起きています。リスク率5%は200回後も98%が残り、2%はほぼ横一直線です。

理由は単純で、取引を重ねて資金が増えるほど、同じ連敗でも資金ゼロまでの距離が遠くなるからです。裏を返せば、資金がまだ増えていない序盤がいちばん危ない。口座を作ったばかりの最初の100回は、手法の本当の勝率もまだわからない時期なので、リスク率を控えめにするのが合理的です。

連敗は思ったより頻繁に起きます。勝率40%で100回取引すると、どこかで10連敗以上が起きる確率は約2割、300回なら約5割です。損切りが10回続いてもゲームオーバーにならないリスク率になっているか、先に確かめておきましょう。

つまり

破産確率は「いつか」の数字、生存曲線は「いつ」の数字。破産の大半は序盤に起きるので、始めたばかりの時期ほどリスク率を小さくします。

10ケリー基準とは?最適なリスク率と破産確率の関係

ケリー基準とは、資金を長期的にいちばん速く増やせる1回あたりの賭け率を求める公式です。1956年にアメリカのベル研究所の研究者ジョン・L・ケリーが発表しました。勝ちと負けの2通りしかない取引では、最適なリスク率は「勝率−(1−勝率)÷ペイオフレシオ」で求まります。

勝率50%・ペイオフレシオ2.0なら0.5−0.5÷2.0=25%、勝率40%・ペイオフレシオ2.0なら10%、勝率60%・ペイオフレシオ1.0なら20%です。どれも、FXで一般的な1〜2%とは桁が違う大きさであることに注目してください。

ケリー基準:賭けすぎると増え方はかえって落ちる 勝率50%・ペイオフレシオ2.0・毎回その時点の資金の◯%を賭けた場合 賭けすぎゾーン 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 1回あたりの資金の増え方(長期の平均) 1回に賭ける割合(リスク率) 2%ルール 0.96% 1/4ケリー 2.7% 1/2ケリー 4.6% ケリー(25%) 6.1% 2倍(50%) 0%

資金の増え方はケリー基準(25%)で最大になり、その2倍(50%)ではゼロになる。半分(12.5%)でも最大の約4分の3の速さで増える。

図のとおり、増え方はケリー基準で最大になりますが、その2倍まで賭けると増え方はゼロになり、それ以上は資金が減っていきます。一方、半分のハーフケリー(12.5%)でも最大の約4分の3の速さで増えるため、プロの多くは半分から4分の1に減らして使います。

破産確率で見ると差ははっきりします。勝率50%・ペイオフレシオ2.0で、ケリー基準の25%を定額で賭け続けた場合の破産確率は14.6%、ハーフケリーの12.5%で2.1%、4分の1の6.25%では0.05%です。複利で賭けた場合も、フルケリーでは資金が一度は半分まで減る確率が理論上およそ2回に1回(約50%)あります。

ケリー基準の落とし穴

ケリー基準は、勝率とペイオフレシオを正確に知っていることが前提です。記録から出した数字が実力より良ければ、そのまま賭けすぎになります。実務では、ケリー基準は「これ以上は賭けてはいけない天井」として使い、実際のリスク率は07の目安や2%ルールのような上限と組み合わせて決めてください。この例の2%ルールは、ケリー基準のおよそ12分の1にあたります。

11バルサラの破産確率は意味ない?当てにならなくなる5つの落とし穴

「バルサラの破産確率は意味ない」という声もあります。理由は、この表が勝率とペイオフレシオが一定で、1回の損失がきっちりリスク率どおりに収まる世界の計算だからです。現実の取引では、この前提が静かに崩れていきます。ただし前提が崩れたときにどれだけ悪くなるかを測る道具として使えば、意味がないどころか、いちばん安上がりな保険になります。代表的な5つの落とし穴を押さえておきましょう。

  1. 勝率とペイオフレシオの測り間違い…記録100回で勝率50%でも、統計的には40〜60%の幅があります(95%の確からしさで±約10ポイント)。勝率50%・ペイオフレシオ1.5のつもりが実は40%なら、期待値はゼロで破産確率は100%です。幅は記録30回で±18ポイント、300回でも±6ポイントあります
  2. 相場の急変で1回の損失がリスク率を超える…損切り注文は、急変時には指定した価格より不利な価格で約定することがあります(スリッページ)。2026年7月30日の円買いの為替介入(日本単独。翌31日には日米協調介入)では、ドル円が162円台後半から157円台後半まで一晩で約5円動きました。実際の損失が想定の2倍になりうるなら、リスク率も2倍で計算しておきます
  3. ナンピンやマーチンゲールで1回の損失が固定されない…負けた後に買い増すナンピンや、負けるたびに賭け金を倍にするマーチンゲールは、表の前提そのものを壊します。勝率が高く見えても、1回の大負けで資金の大半を失う形になりやすい手法です
  4. 相関の高いポジションを同時に持つ…ドル円とクロス円を同じ向きに同時に持つと、実質的には1つの大きなポジションです。2%ずつ3本持てば、実質のリスク率は最大6%になります(相関の見方)
  5. 連敗後の感情で賭け金が増える…負けを取り返そうとロットを上げるリベンジトレードは、リスク率を勝手に引き上げる行為です。表の数字は、ルールを守り続けた場合にしか成り立ちません

どの落とし穴も、計算ツールに「実際に起きうる悪い数字」を入れて確かめれば備えられます。記録どおりの数字と、勝率を5〜10ポイント下げた数字の両方で計算しておくのがおすすめです。

12株・バイナリー・競馬にも使える?期待値で決まる向き不向き

表の前提は「1回の損失額を資金の一定割合に抑え、同じ条件で続けること」だけなので、FX以外にも当てはめられます。ただし、役に立つのは期待値がプラスの取引だけです。対象ごとの注意点をまとめます。

株・暗号資産:使えるが、損切りが滑りやすい

考え方はそのまま使えます。ただし個別株は決算や悪材料で翌朝に大きく値が飛んで始まることがあり、暗号資産は24時間値動きが止まらず変動幅も大きいため、損切り注文が想定より不利な価格で約定しやすくなります。想定の1.5倍の損失が起きうると考えるなら、リスク率も1.5倍にして計算しておくと安全です。株価指数や商品などのCFDも同じ考え方で、レバレッジをかける場合もリスク率は証拠金の割合ではなく、損切りしたときに失う金額で数えます。

バイナリーオプション:前提にいちばん近い取引

判定時刻に予想が当たれば決まった額を受け取り、外れれば購入代金を失う取引は、1回の損失が購入代金で固定されるため、表の前提(毎回同じ額を失う)にいちばん近い形です。ペイオフレシオは「(受取額−購入額)÷購入額」で求まります。たとえば550円で買って当たれば1,000円を受け取るなら、ペイオフレシオは450÷550=約0.82で、損益分岐の勝率は55%です。購入価格が高いほどペイオフレシオが下がり、必要な勝率が上がる点に注意してください。

競馬・パチンコ・バカラ:リスク率では救えない

胴元が売上の一部を先に差し引くゲームは、長く続けるほど期待値がマイナスになります。たとえばJRAの払戻率は、単勝・複勝が80%、枠連・馬連・ワイドが77.5%、馬単・3連複が75%、3連単が72.5%、WIN5が70%です。平均すると賭けた額の2〜3割が戻ってこない計算で、表に当てはめると破産確率は100%になります。バカラやパチンコも、賭け方にかかわらず胴元の取り分だけ期待値がマイナスです。1回に賭ける割合を小さくしても、破産までの時間が延びるだけで結末は変わりません。

つまり

破産確率表が役に立つのは、期待値がプラスの手法を持っている人だけ。先に期待値、次にリスク率の順で確かめます。

132026年の使い方:プロップファームやEAの「失格確率」

近年は、会社の資金で取引するプロップファームや、ルールどおりに自動で売買するEA(自動売買)の広がりで、破産確率を「資金ゼロ」ではなく「失格ライン」で考える場面が増えています。多くのプロップファームでは、1日の損失5%前後・全体の損失10%前後といった失格ラインが決められています(条件は事業者やプランによって異なります)。

このとき使うのは、資金ゼロまでの破産確率ではなく、失格ラインまでの失格確率です。勝率50%・ペイオフレシオ1.5の手法で、全体の損失10%を失格ラインとした場合を計算すると、次のようになります。

リスク率資金ゼロまでの破産確率10%減までの失格確率
0.5%0.01%未満0.14%
1%0.01%未満3.7%
2%0.01%未満19.3%

勝率50%・ペイオフレシオ1.5・定額で計算。1日の損失ルールはこの計算に含まれていません。

資金ゼロで計算すると2%でも0.01%未満なのに、失格ライン10%で計算するとおよそ5回に1回は失格します。プロップファームのチャレンジでは、リスク率0.5%前後が上限の目安と考えるのが安全です。計算ツールの例「プロップ」を押すと、この条件(リスク率1%・資金の10%減で失格)がそのまま入ります。仕組みの詳細はプロップファームで解説しています。

EAは感情に左右されずにルールどおり賭け続けるため、実はバルサラの表の前提に最も近い使い方です。ただし表に入れる勝率とペイオフレシオは、過去の相場で作った数字です。数字の取り方の注意は、よくある質問のQ8を参考にしてください。

14実践:自分の破産確率を下げる6ステップ

最後に、ここまでの内容を実際の手順にまとめます。大事なのは、計算を1回で終わらせず、記録が増えるたびにやり直すことです。

  1. トレード記録を集める…最低30回、できれば100回分の損益をトレード記録に残します。建値決済や分割決済の数え方は、よくある質問を参考にしてください
  2. 勝率とペイオフレシオを出す…スプレッドや手数料を差し引いた実際の損益で計算します。プロフィットファクターと取り違えないよう注意します
  3. 計算ツールに入れる…このページの破産確率シミュレーターで勝率とペイオフレシオを合わせ、破産確率と「1%未満にするには」の欄を確認します
  4. リスク率を決める…「1%未満にするには」の数字の半分以下を目安にし、始めたばかりの時期はさらに小さくします
  5. ロット数に直す…リスク率と損切り幅から取引量を計算します。適正ロット計算ツールを使うと、資金・リスク率・損切り幅からそのまま通貨量が出ます。考え方はポジションサイジングで解説しています
  6. 30〜50回ごとに見直す…新しい記録で勝率とペイオフレシオを出し直し、破産確率を計算し直します。数字が悪化していたら、先にリスク率を下げてから原因を探ります

関連用語をチェック!

リスクリワード狙う利益と許容する損失の比率。ペイオフレシオの設計図になる
ポジションサイジング損切り幅に合わせて1回の取引量を決める技術
レバレッジ資金の何倍の取引をするか。損切り幅と掛け合わせるとリスク率になる
証拠金維持率ロスカットまでの余裕を示す数字
強制ロスカット維持率が基準を下回ると自動で決済される仕組み
種銭取引に回す元手。破産確率の計算でいう資金にあたる
コツコツドカン勝率は高いのに期待値がマイナスになる典型パターン
フォワードテスト過去検証の数字を、実際の相場で確かめ直す方法
バルサラの破産確率表のよくある質問に答えるパンダキャラクター
STEP 03

バルサラの破産確率のよくある質問

よくある質問と回答

※質問を押しても回答が開かない場合は、ページを再読み込みしてください。

アプリストアには破産確率を計算するアプリもありますが、専用アプリを入れなくても、このページの計算ツールはスマホのブラウザでそのまま使えます。よく使うなら、ページ上部の計算ツールのボタンを押して、アドレスの末尾がcalculatorになった状態でブラウザの共有メニューからホーム画面に追加してください。次回からアプリのように1タップでツールの位置を開けます。アプリを選ぶときは、計算式や前提(定額か複利か、何をもって破産とするか)が説明されているかを確認しましょう。前提が書かれていないツールは、他の表と数字が合わないときに理由を確かめられません。
回数が多いだけでは上がりません。破産確率は勝率・ペイオフレシオ・リスク率の3つで決まり、取引の回数は入っていないからです。変わるのは破産が起きるまでの時間です。脱落の多くは最初の100回前後に集中するため、1日に20回取引する人は5日ほどでその危険な期間を通り抜けます。お金が動く速さが桁違いなので、1日の損失上限(例:資金の3%に達したらその日は終了)を別に決めておくと安全です。さらにスキャルピングは利幅が小さく、スプレッドの影響でペイオフレシオが下がりやすい点にも注意してください。コストの入れ方はQ3、取引スタイルごとの特徴はスキャルピングの解説で確認できます。
勝ちトレードの利益からコストを引き、負けトレードの損失にコストを足してから、平均利益と平均損失を出します。利確20pips・損切り10pipsで、コストが1回あたり0.2pips相当なら、勝ちは19.8pips、負けは10.2pipsとなり、ペイオフレシオは2.0ではなく約1.94です。利幅が小さい取引ほどコストの影響は大きく、利確5pips・損切り5pipsでコストが0.3pipsなら、ペイオフレシオは1.0から0.89まで下がり、勝率50%では期待値がマイナスになります。スプレッドが広がりやすい時間帯に取引するなら、その時間帯のコストで計算してください。
基本はどちらにも数えず、記録から外して計算します。資金を増やしも減らしもしない取引は、破産までの道のりを変えないためです。ただし実際の建値決済は、スプレッドや手数料のぶん小さなマイナスになっていることがほとんどです。その場合は回数には入れず、建値決済で払ったコストの合計を、負けトレードの損失合計に上乗せしてから平均損失を出すと、コストを無視せずに済みます。建値決済が全体の2割から3割を超えるほど多いなら、利益が伸びる前に撤退していないかも見直してみてください。
1回のエントリーを1トレードとして数え、分けて決済した損益はすべて合算します。1万通貨で買い、半分を10pips、残りを30pipsで決済したなら、そのトレードの利益は1万通貨で20pips取ったのと同じです。決済のたびに1回と数えると、勝ちトレードの回数が水増しされて勝率が実際より高く出ます。平均利益は勝ちトレードの利益合計÷勝ちトレードの回数、平均損失も同じように出し、その比をペイオフレシオにします。途中で一部を損切りしたトレードも、合計がプラスなら勝ち、マイナスなら負けとして1回に数えます。
下がることがほとんどです。利確を遠くすれば、届く前に反転する回数が増えるからです。大事なのはどちらか片方ではなく組み合わせで、たとえば勝率50%・ペイオフレシオ1.5と、勝率40%・ペイオフレシオ2.0は、どちらも期待値はプラスですが、リスク率5%で比べると破産確率は0.14%と2.0%で、勝率が高い前者のほうが安全です。反対に利確を近くしすぎると、勝率は高いのに期待値がマイナスになるコツコツドカンに陥ります。利確位置を変えたら、変更後の記録を30回ほど集めてから計算ツールで比べてください。
1回の損失額を変えなければ、リスク率が下がるので破産確率も下がります。100万円の口座で1回2万円まで負ける人が100万円を足せば、リスク率は2%から1%になります。注意したいのは、負けて減るたびに入金して取り返す使い方です。これは破産を先送りしているだけで、最終的に失う金額が増えていきます。入金するつもりがあるなら、あらかじめ取引に回してよい総額(種銭)を決め、その総額を資金としてリスク率を計算してください。総額200万円で1回2万円なら、リスク率は1%です。
入れてかまいませんが、実際の取引より良い数字が出やすい点を割り引いて使ってください。デモ口座はお金がかかっていないため、損切りをためらうといった心理のブレが出にくく、約定も実際より有利なことがあります。バックテストは、過去の相場に合わせてパラメーターを調整するほど勝率が実力以上に高く出ます(カーブフィッティング)。たとえば勝率を5ポイントから10ポイント低く、ペイオフレシオを1割ほど低く見積もって計算し、少額の実取引に移ってから数字を取り直すのが安全です。MT4・MT5のテスト結果を使うときは、プロフィットファクターの欄をペイオフレシオと取り違えないよう注意してください。

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破産確率で自分の賭け方を確かめたら、次は資金管理と口座選びを固めましょう。

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