金融政策とは?日銀・FRBの利上げで為替が動く仕組みと会合の日程

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わからない前提で解説 5歳でもなんとなく分かるFX用語!

金融政策とは?
「お金のレンタル料」でわかる、利上げ・利下げで為替が動く仕組みと日銀・FRBの読み方

このページでは、金融政策の意味と目的、政策金利・金融緩和・金融引き締め・量的緩和・テーパリング・タカ派・ハト派・逆イールドを動く図解と表でまとめ、利上げ・利下げで為替が動く仕組み、2026年の日銀・FRB・ECBの動き、決定会合の日程とトレードでの使い方まで、FX初心者にもわかるように解説します。

金融政策をお金のレンタル料にたとえて説明する白黒FX用語辞典のパンダキャラクター
STEP 01
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なんとなく理解しよう!

5歳でもわかる超かんたん解説

町に、お金の貸し借りを見守る「お金の先生」がいると想像してみて。本当の名前は中央銀行(ちゅうおうぎんこう)で、日本なら日本銀行(日銀)、アメリカならFRB(エフアールビー)だよ。先生がお金の量や貸し借りの値段を調整して、町の景気と物の値段を落ち着かせるお仕事を金融政策っていうんだ。

お金を借りたら、借りた分より少し多く返すよね。この上乗せ分が、お金のレンタル料の金利だよ。先生が決める、いちばん大もとのレンタル料が政策金利。レンタル料が安いと、みんながお金を借りて買い物やお店づくりをするから町がにぎやかになる。高いと借りる人が減って、町は落ち着くんだ。

町が元気をなくしたら、先生はレンタル料を下げてお金を借りやすくする。これが金融緩和で、車でいうとアクセルだよ。反対に、物の値段がどんどん上がりすぎたら(インフレ)、レンタル料を上げてお金の回りをゆっくりにする。これが金融引き締めで、ブレーキなんだ。

レンタル料を0円近くまで下げてもまだ足りないときは、先生は特別な方法を使うよ。町の人が持っている国の借用書(国債)をたくさん買い取って、町にお金を流し込むんだ。これが量的緩和。町が元気になってきたら、この買い取りを少しずつ減らしていく。これをテーパリングっていうよ。

先生たちにも性格があるんだ。物の値段が上がりすぎるのが心配で、ブレーキを踏みたがる先生はタカ派。お仕事がなくなる人が出るのが心配で、アクセルを踏みたがる先生はハト派。会議でどちらの先生が多いかで、次にレンタル料が上がるか下がるかが決まるんだよ。

世界中の人は、レンタル料の高い国にお金を預けたくなる。だから、日本とアメリカのレンタル料の差(金利差)が広がるとドルが人気になって、ドル高・円安になりやすいんだ。それから、ふつうは長く借りるほどレンタル料は高いのに、短く借りるほうが高くなる逆転が起きることがある。これが逆イールドで、「この先、景気が悪くなるかも」というサインなんだよ。

質問するパンダの生徒
パンダくん

アメリカの先生がレンタル料を上げたら、いつもドル高になるの?

回答するパンダの先生
パンダ先生

なりやすいけど、いつもじゃないんだ。みんなが先に「上げるはず」と思っていると、もう値段に入っているから、あまり動かないこともある。大事なのは思っていたより上げたか、下げたかなんだよ。

つまり、金融政策は「お金のレンタル料」の調整!

金融政策:中央銀行が金利やお金の量を調整して、物価と景気を落ち着かせること。

政策金利:中央銀行が決める、お金のレンタル料の大もと。

金融緩和・金融引き締め:景気のアクセルとブレーキ。緩和は通貨安、引き締めは通貨高の材料になりやすい。

量的緩和・テーパリング:国債を買ってお金を流し込む特別な方法と、その買い取りを減らしていくこと。

タカ派・ハト派:ブレーキ寄りの先生と、アクセル寄りの先生。

逆イールド:短く借りるレンタル料が、長く借りるより高くなる逆転。景気の注意報。

FXでは「どれだけ上げたか」より「思っていたより上げたか」が値動きを決めるよ。

金融政策と為替の関係を解説する白黒FX用語辞典のパンダキャラクター
STEP 02

さらに深掘ってマスターしよう!

金融政策と為替の関係の本格解説

01金融政策とは?目的と2つの道具

金融政策(Monetary Policy)とは、中央銀行が金利やお金の量を調整して、物価と景気を安定させる政策です。日本銀行は、日本銀行法第2条で「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」を理念とし、2013年からは消費者物価の前年比2%を「物価安定の目標」にしています。

米国の中央銀行制度であるFRB(連邦準備制度)は、雇用の最大化と物価の安定という2つの目標を持ち、物価は2%を目安にしています。ユーロ圏のECB(欧州中央銀行)は物価の安定を第一の目的とし、中期的に2%のインフレ率を目指しています。どの中央銀行も、ねらいは物価と景気の安定で共通しています。

道具は大きく2つです。1つは、お金の貸し借りの基準になる短期の金利(政策金利)の上げ下げ。もう1つは、国債などを買ったり売ったりして、世の中に出回るお金の量を変える方法です。これに、この先の方針を言葉で示して市場の予想に働きかけるフォワードガイダンスが加わります。

金融緩和と金融引き締めの流れ金融緩和(アクセル)利下げ・量的緩和お金を借りやすくなる景気と物価を温める通貨安の材料になりやすい金融引き締め(ブレーキ)利上げ・量的引き締めお金を借りにくくなる物価の上がりすぎを抑える通貨高の材料になりやすい※実際の値動きは、市場の予想との差で決まります

金融緩和はアクセル、金融引き締めはブレーキです。どちらも、物価と景気を目標に近づけるために使い分けます。

FXでは、金融政策の変化がその国の通貨の人気を左右します。金利が上がりそうな国の通貨は買われやすく、下がりそうな国の通貨は売られやすいのが基本です。ただし相場は発表の前から予想を値段に入れて動くため、発表そのものより「予想とのずれ」が値動きを決めます(09で説明)。

02政策金利とは?主要な中央銀行の今の金利

政策金利(Policy Interest Rate)とは、中央銀行が金融政策の目標として決める短期の金利です。日銀は無担保コールレート(オーバーナイト物)、FRBはフェデラル・ファンド金利(FF金利)の誘導目標を決めます。FRBは3.75〜4.00%のように幅で示すのが特徴で、ECBは預金ファシリティ金利など3つの金利を決めています。

中央銀行政策金利直近の決定次回
FRB米国3.75〜4.00%9月16日に0.25%利上げ(12対0)10月27〜28日
日銀日本1.25%程度9月18日に0.25%利上げ(7対2)10月29〜30日
ECBユーロ圏2.50%預金ファシリティ金利9月10日に0.25%利上げ10月28〜29日
BOE英国3.75%9月17日に据え置き(6対3)11月5日

2026年9月28日時点。各中央銀行の公表資料より。日銀の1.25%は9月24日から、ECBの利上げは9月16日から適用。BOEで反対した3人は利上げを主張しました。

表のとおり、2026年9月は4つの中央銀行のうち3つが利上げに動きました。FXで大事なのは金利の高さそのものより、これから上がるのか下がるのかという方向と、2つの国の金利の差です。政策金利はスワップポイントの金額にもつながるので、中長期でポジションを持つ人ほど確かめておきたい数字です(スワップポイント)。

03金利差と為替:差が縮んでも円高にならなかった理由

金利(Interest Rate)とは、お金を貸し借りするときの利息の割合です。短い期間の金利は政策金利に強く連動し、長い期間の金利は、将来の景気や物価の見通しを映して市場で決まります。FXでは、2つの通貨の金利差が大きいほど、金利の高い通貨を買って持つ取引が集まりやすくなります(キャリートレード)。

段階を追って見る:日米の金利差が縮んでも、円高にならなかった2年半

ボタンで時期を進めます。政策金利に幅があるときは、上限で比べています。スマホでは図を横に動かすと、右側のその時期の数字も見られます。

日米の政策金利(幅があるときは上限)米国(FRB)日本(日銀)0%2%4%6%24年3月差5.4024年12月差4.2525年12月差3.0026年9月差2.75金利差5.40金利差4.25金利差3.00金利差2.752024年3月の数字米国の政策金利5.25〜5.50%日本の政策金利0〜0.1%金利差5.40ポイントドル円150円前後2024年12月の数字米国の政策金利4.25〜4.50%日本の政策金利0.25%金利差4.25ポイントドル円157円前後2025年12月の数字米国の政策金利3.50〜3.75%日本の政策金利0.75%金利差3.00ポイントドル円157円台2026年9月の数字米国の政策金利3.75〜4.00%日本の政策金利1.25%金利差2.75ポイントドル円157円台※ドル円はその時期の水準の目安

2026年9月は、FRBが3.75〜4.00%、日銀が1.25%へ、どちらも利上げしました。差は2.75ポイントと2年半でほぼ半分になりましたが、ドル円は157円台のまま。7月23日には163円99銭まで円安が進みました。

動く図解のとおり、日米の金利差は2024年3月の5.40ポイントから、2026年9月には2.75ポイントとほぼ半分になりました。それでもドル円は150円前後から157円台へと、むしろ円安に進んでいます。理由としては、中東情勢による原油高や、政府の財政運営・日銀の独立性をめぐる懸念などが挙げられています。縮んだとはいえ、2.75ポイントの差もまだ小さくありません。

ここから学べるのは、金利差は為替の大きな材料でも、それだけで決まるわけではないということです。金利差の方向は中長期の目線づくりに使い、エネルギーの値段や政治など、ほかの材料と組み合わせて判断しましょう(円安が進む仕組み)。

04金融緩和とは?アクセルを踏むと通貨安になりやすい

金融緩和(Monetary Easing)とは、景気が弱いときや物価が上がらないときに、お金を借りやすくして経済を温める政策です。代表的な手段は政策金利の引き下げ(利下げ)で、金利を下げきったあとは、国債などを買い入れる量的緩和も使われます。緩和はその国の通貨安の材料になりやすいのが基本です。

たとえば日銀が2013年4月に大規模な量的・質的金融緩和(いわゆる異次元緩和)を始めた前後で、2012年秋に80円前後だったドル円は、2015年には120円台まで円安が進みました。FRBも2020年3月には、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政策金利を0〜0.25%まで一気に下げています。

ただし、市場が緩和を先に予想して値段に反映させていると(これを織り込みといいます)、発表の日に逆へ動くこともあります。予想どおりの利下げは知っていた材料なので、材料出尽くしで通貨が買い戻されることがあるのです。発表の前に、市場がどこまで予想しているかを確かめましょう(市場予想の見方)。

05金融引き締めとは?ブレーキを踏むと通貨高になりやすい

金融引き締め(Monetary Tightening)とは、景気が過熱したときや物価が上がりすぎるときに、お金を借りにくくして物価の上昇を抑える政策です。手段は政策金利の引き上げ(利上げ)や、中央銀行が持っている国債などを減らしていく量的引き締め(QT)です。引き締めはその国の通貨高の材料になりやすいのが基本です。

2022年3月から2023年7月にかけて、FRBは11回の利上げで政策金利を0〜0.25%から5.25〜5.50%まで上げました。この間にドル円は115円前後から、2022年10月には151円台まで円安が進んでいます。FRBは2022年6月から量的引き締めも進め、保有する証券を2.2兆ドル以上減らしたあと、2025年12月1日に終えました。

2026年は、中東での戦争をきっかけにした原油高でインフレへの警戒が再び強まり、ECBが6月と9月、FRBが9月に利上げへ戻りました。FRBの利上げは2023年以来です。日銀も6月と9月に利上げを続けていて、日米欧の中央銀行がそろって利上げに動く年になっています(インフレの仕組み)。

06量的緩和(QE)とは?お金の量を増やす特別な方法

量的緩和(Quantitative Easing・QE)とは、政策金利をゼロ近くまで下げてもまだ足りないときに、中央銀行が国債などを大量に買って、世の中に出回るお金を増やす政策です。金利を下げる代わりにお金の量を増やす方法で、ふつうの金融政策とは違う「非伝統的な金融政策」と呼ばれます。

日銀は2001年3月に、世界で初めて量的緩和を導入しました。2013年4月の量的・質的金融緩和では、長期国債の保有を年約50兆円(2014年10月からは約80兆円)のペースで増やしています。FRBも2008年のリーマン・ショックのあとに3回の量的緩和を行い、2020年のコロナ禍でも大量の国債などを買い入れました。

日銀は2016年9月に、10年物国債の利回りも0%程度に抑えるイールドカーブ・コントロール(YCC)を加えました。短い金利だけでなく長い金利まで低く抑える政策です。こうした大規模な緩和は2024年3月にマイナス金利とあわせて終わり、日銀は今、国債の買い入れを減らしていく段階にいます。

07テーパリングとは?日銀の国債買い入れ減額の今

テーパリング(Tapering)とは、量的緩和で続けてきた国債などの買い入れを、少しずつ減らしていくことです。テーパーは「先細り」という意味で、蛇口を少しずつ閉めるイメージです。お金を増やす方向はまだ続くので緩和の途中ですが、市場は次は利上げと先読みしやすく、通貨高の材料になります。

2013年5月には、当時のFRB議長がテーパリングを示唆しただけで世界の金利が上がり、新興国の通貨や株が売られました。これをテーパー・タントラム(かんしゃく)と呼びます。FRBは2021年11月にもテーパリングを始め、2022年3月に買い入れを終えて利上げへ進みました。

時期月の長期国債の買い入れ額の目安
2024年7月の時点6兆円程度
2026年1〜3月2.9兆円程度
2026年7〜9月2.5兆円程度
2027年1〜3月2.1兆円程度
2027年4月以降2兆円程度で維持(減額を止める)

日本銀行「長期国債買入れの減額計画」(2024年7月・2025年6月)と、2026年6月の中間評価より。2026年4月からは、毎四半期2,000億円程度ずつの減額です。

日銀の計画では、月6兆円程度だった長期国債の買い入れを、2027年1〜3月には2.1兆円程度まで減らします。2026年6月の中間評価では、2027年4月以降は減額を止めて月2兆円程度で続ける方針を決めました。国債を買う量が減ると長期金利が上がりやすくなるため、円の金利と円相場にも関わってきます。

08タカ派・ハト派とは?票の割れ方で先を読む

タカ派(Hawkish)は、物価の上がりすぎを強く警戒し、利上げや引き締めに前向きな立場です。ハト派(Dovish)は、景気の落ち込みや失業を心配し、利下げや緩和に前向きな立場です。中央銀行の決定は委員の多数決で決まるので、どちらが多いかが、次の金利の方向を読む手がかりになります。

タカ派
(引き締め寄り)
ハト派
(緩和寄り)
心配すること物価の上がりすぎ景気の落ち込み・失業
よく出る言葉「インフレのリスク」「追加の引き締め」「物価の安定を実現する」「景気の下振れリスク」「慎重に」「緩和的な環境を保つ」
為替への影響その国の通貨高の材料その国の通貨安の材料
2026年9月の例FOMCの利上げ(12対0)、BOEで利上げを主張した3人日銀で据え置きを主張した2人

2026年は、その読み方がよくわかる年でした。5月にFRB議長がパウエル氏からウォーシュ氏に代わりました。利下げを求めてきたトランプ大統領が指名した議長ですが、FOMCは7月に3人が利上げを主張する中で据え置き(9対3)、9月には全員一致で利上げしています。パウエル前議長は、議長の任期のあとも理事として残ると表明しました。

日銀の9月の利上げは、7対2の賛成多数でした。反対した2人は、物価上昇率が2%を下回っていることなどを理由に据え置きを主張していて、この反対票が円安の引き金になったと報じられました。結果だけでなく、誰がどちらに票を入れたかまで見ると、発表のあとの値動きを理解しやすくなります(ジャクソンホール会議)。

09利上げ・利下げで為替はどう動く?カギは予想との差

利上げ・利下げで為替がどう動くかは、市場の予想と実際の結果の差で決まります。予想どおりの結果は、すでに値段に織り込まれているので大きくは動きません。予想より強い(タカ派の)結果ならその国の通貨高、予想より弱い(ハト派の)結果なら通貨安に動きやすいのが基本です。

切り替えて見る:予想との差で、発表のあとの動きが変わる

ボタンで場面を切り替えます。日銀の決定とドル円の動き方の例で、真ん中は2026年9月18日の実際の値動きです。スマホでは図を横に動かすと、右側の読み方も見られます。

市場の予想日銀の決定利上げ据え置きほぼ利上げ利上げ据え置き利上げ予想より弱い=ハト派サプライズ予想どおり=織り込み済み予想より強い=タカ派サプライズドル円発表説明用のイメージ発表説明用のイメージ発表前156.16直後156.85午後157.33会見中156.50会見後157.402026年9月18日→ 円が売られやすい(ドル円は上昇)→ 反対2票が材料になり円安に→ 円が買われやすい(ドル円は下落)読み方市場は利上げを予想していたのに据え置き。予想との差の分だけ円が売られる。利上げはほぼ織り込み済み。反対2票が「次は遠い」と受け止められ円安に。据え置きの予想を裏切って利上げ。予想外の分だけ円が買われる。会見で戻ることも。

2026年9月18日の実際の値動きです。利上げはほぼ織り込まれていましたが、反対2票が出たことが円売りの材料になり、ドル円は発表前の156円16銭から午後に157円33銭まで上昇。会見中に一時156円50銭まで戻り、会見のあとは157円40銭台で推移しました。

市場の予想は、金利先物の値段から計算した利上げ・利下げの確率で確かめられます。米国はCMEグループのFedWatchがよく使われ、日本も報道で何%織り込みと伝えられます。2026年9月初めの時点では、日銀の利上げが91%ほど、FRBの利上げが65%前後織り込まれていたと報じられていました(経済指標カレンダー)。

つまり

為替は、利上げか利下げかではなく、予想より強いか弱いかで動く。予想どおりでも、票の割れ方や会見の言葉が新しい材料になる。

10逆イールドとは?景気後退の注意報

逆イールド(Inverted Yield Curve)とは、ふつうは期間が長いほど高くなる国債の利回りが逆転し、短い期間の利回りのほうが高くなる状態です。期間ごとの利回りを結んだ線をイールドカーブ(利回り曲線)と呼び、ふつうは右上がりの形になります。

イールドカーブの形(イメージ)通常(右上がり)逆イールド(右下がり)利回り3か月2年5年10年30年※形を説明するためのイメージで、実際の利回りではありません

緑はふつうの右上がりの形、赤の点線は短い期間の利回りのほうが高い逆イールドです。形を説明するためのイメージです。

逆転が起きるのは、市場がこの先の景気悪化と中央銀行の利下げを予想して、長い期間の利回りが下がるときです。米国では、1970年代以降の景気後退の多くで、その前に2年債と10年債の利回りが逆転してきました。そのため逆イールドは、景気後退の注意報として注目されます。

ただし、当たる時期はばらばらです。米国では2022年7月ごろから2024年9月ごろまで2年あまり逆転が続きましたが、逆転が始まってから2年以上たっても景気後退には入りませんでした。必ず当たる予言ではなく、リスクオフへの備えを考えるきっかけとして使いましょう(リスクオフとは)。

112026年の金融政策:日米欧がそろって利上げへ

2026年の金融政策は、中東での戦争をきっかけにした原油高で、大きく向きが変わりました。ECBは声明で、中東の紛争がインフレ圧力を生み、インフレ率はしばらく目標を大きく上回るとしています。前の年まで利下げを続けていたFRBとECBも、利上げに戻りました。

時期主な出来事
2025年12月日銀が0.75%へ利上げ。FRBは3会合連続の利下げで3.50〜3.75%に
2026年5月FRB議長がパウエル氏からウォーシュ氏へ交代
2026年6月日銀が1.0%へ利上げし、2027年4月以降は国債買い入れの減額を止める方針。ECBも利上げ(2.25%)
2026年7月ドル円が23日に163円99銭まで円安。月末に日米の協調介入。FOMCは9対3で据え置き
2026年9月ECB(10日・2.50%)、FRB(16日・3.75〜4.00%)、日銀(18日・1.25%)が利上げ。BOEは据え置き

各中央銀行の公表資料、三井住友DSアセットマネジメント・外為どっとコムの市場レポートより。

円相場は、日銀の利上げが続く中でも円安が進み、ドル円は7月23日に163円99銭をつけました。7月末には日米の通貨当局による協調介入が行われ、8月3日には155円台まで円高に振れましたが、8月20日には160円台まで戻しています(為替介入とは)。

なお、為替介入(政府が円を売り買いして、相場の急な動きを抑えること)は財務大臣の判断で行うもので、日銀は財務大臣の代理人として売買の実務を担います。金融政策とは別の仕組みです。中東情勢のように、金融政策の外から来る材料も円相場を大きく動かすため、あわせて確かめましょう(地政学リスク)。

12日銀の金融政策決定会合・FOMCの日程(2026〜2027年)

日銀の金融政策決定会合は年8回、2日間の日程で開かれ、政策委員会の9人(総裁・副総裁2人・審議委員6人)の多数決で決めます。FRBのFOMC(連邦公開市場委員会)とECBの理事会も、年8回の開催です。2026年10月から2027年12月までの日程は次のとおりです。

時期日銀FOMCECB
2026年10月29〜30日展望レポート27〜28日28〜29日
2026年12月17〜18日8〜9日経済見通し16〜17日
2027年1月21〜22日展望レポート26〜27日―
2027年2月――3〜4日
2027年3月17〜18日16〜17日経済見通し17〜18日
2027年4月27〜28日展望レポート27〜28日28〜29日
2027年6月10〜11日8〜9日経済見通し9〜10日
2027年7月21〜22日展望レポート27〜28日21〜22日
2027年9月21〜22日14〜15日経済見通し8〜9日
2027年10月28〜29日展望レポート26〜27日27〜28日
2027年12月16〜17日7〜8日経済見通し15〜16日

日本銀行・FRB・ECBの公表日程より(2026年9月28日確認)。結果が出るのは各会合の2日目です。展望レポート=日銀の経済・物価情勢の展望、経済見通し=FOMC参加者の金利見通し(ドットプロット)を含む資料。

結果が出る時刻は、日銀は2日目の昼ごろで時刻は決まっておらず、総裁の記者会見は15時30分からです。FOMCは2日目の米東部時間14時で、日本時間では翌日の午前3時(米国の冬時間は午前4時)。ECBは中央ヨーロッパ時間14時15分で、日本時間の21時15分(冬時間は22時15分)です(夏時間と冬時間)。

13金融政策をFXに活かす5つの手順

金融政策は、覚えた知識をトレードの手順に落とすことで役に立ちます。発表の日に慌てないように、次の5つを習慣にしましょう。どれも特別な道具はいらず、中央銀行の公式サイトと、FX会社の経済指標カレンダーがあれば始められます。

  1. 日程を先に押さえる:日銀・FOMC・ECBの会合の2日目を、カレンダーに書き込んでおく
  2. 市場の予想を確かめる:利上げ・利下げが何%織り込まれているかを、発表の前に見ておく
  3. 発表の前後は守りを固める:ポジションを軽くし、成行注文を避け、損切りの注文を入れておく
  4. 結果は票と言葉まで見る:決定の中身に加えて、反対票の数と総裁・議長の会見の言葉を確かめる
  5. 金利差の方向で目線を決める:数か月の目線は金利差の方向で考え、スワップポイントの変化も確かめる

発表の直後はスプレッドが広がり、値段が飛ぶように動くこともあります。初心者は、方向がはっきりしてから入るほうが安全です。損切りの位置は、発表でどこまで動くかを考えて決めましょう(損切りの決め方)。

つまり

日程、予想、守り、票と言葉、金利差の方向。この5つを発表のたびに繰り返すと、金融政策が相場の地図になる。

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金融政策のよくある質問に答える白黒FX用語辞典のパンダキャラクター
STEP 03

疑問を解消しよう!

よくある質問と回答

※質問を押しても回答が開かない場合は、ページを再読み込みしてください。

担い手と道具が違います。金融政策は日銀などの中央銀行が、金利とお金の量を使って物価と景気を調整します。財政政策は政府と国会が、税金と国の支出(公共事業や給付金など)を使って景気を調整します。財政は予算として国会で決まり、金融政策は日銀の政策委員会が決定会合で決めます。FXではどちらも材料になり、2026年は政府の財政運営への見方も円相場の材料として意識されました。
日銀は決定会合の2日目の昼ごろに発表しますが、時刻は決まっていません。総裁の記者会見は15時30分からです。FOMCは2日目の米東部時間14時に声明を出し、日本時間では翌日の午前3時、米国が冬時間の時期は午前4時です。ECBは中央ヨーロッパ時間14時15分の発表で、日本時間では21時15分、冬時間は22時15分です。発表の前後はスプレッドが広がりやすいので注意しましょう。
決めるのは日銀の政策委員会(総裁・副総裁2人・審議委員6人の9人)です。日本銀行法は、日銀の金融政策の自主性を尊重するとしたうえで(第3条)、政府と十分に意思疎通を図ることも求めています(第4条)。政府の代表は決定会合で意見を述べ、議決の延期を求めることはできますが(第19条)、2000年8月のゼロ金利解除のときは、政府の延期の求めを政策委員会が否決しました。
ゼロ金利は、政策金利をほぼ0%まで下げた状態で、日銀が1999年2月に世界で初めて始めました。マイナス金利は、銀行が日銀に預けるお金の一部にマイナスの金利をかける政策で、日銀は2016年2月から2024年3月まで続けました。今の日銀の政策金利は1.25%で、1995年以来の高さです。低い金利が当たり前だった時代が終わり、スワップポイントの条件も変わってきています。
FOMCの参加者が、各年の年末の政策金利の見通しを1人1つの点で示した図です。3月・6月・9月・12月の年4回、経済見通しと一緒に公表されます。2026年9月は18人が点を出し、2026年末の中央値は4.1%でした。今の3.75〜4.00%より高く、中央値で見ると年内にもう1回の利上げを見込んでいる形です。点は約束ではなく、データしだいで毎回変わります。
日銀が2016年9月に始めた政策で、短期金利に加えて、10年物国債の利回りも0%程度に抑えるものです。長い期間の金利まで低く抑えることで、住宅ローンや企業の借入れの金利を低くしました。2022年12月から上限を段階的に広げ、2024年3月のマイナス金利の解除と同時に終了しています。長期金利が市場で決まるようになり、日本の金利の動きも為替の材料になっています。
変わっていきます。スワップポイントは各FX会社が、2つの通貨の短期金利の差などをもとに決めているためです。ただ、変わる時期と幅は会社ごとに違い、市場が利上げを先に織り込むと、発表の前から動くこともあります。外為どっとコムの2026年9月25日付与分の米ドル/円は、1万通貨で買いが115円、売りがマイナス140円でした。会社ごとの金額を比べましょう(スワップポイント)。
影響します。利上げは企業の借入れのコストを上げるため株価の重しになりやすく、利下げは支えになりやすいとされます。為替とも連動し、2024年7月31日の日銀の利上げのあと、米国の景気不安も重なって円高が急に進み、8月5日の日経平均株価は4,451円28銭安と過去最大の下げ幅を記録しました。ドル円は7月初めの161円台から8月5日には141円台まで下がり、円キャリートレードの巻き戻しと呼ばれました。

さらに学ぶ

金融政策の読み方がわかったら、発表の日の守り方と口座選びへ進みましょう。

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