【図解あり】シャープレシオとは?計算方法と目安を解説

わからない前提で解説 5歳でもなんとなく分かるFX用語

シャープレシオ

リスクに対するリターンの効率性を測る、最も有名な投資パフォーマンス指標

パンダ
STEP 01

なんとなく理解しよう

5歳でもわかる超かんたん解説

シャープレシオっていうのは、どれだけ賢くお金を増やせたかを測る成績表みたいなものなんだよ。

想像してみて。100点満点のテストで100点取るのは素晴らしいけど、もし「間違えたら-50点」っていう危険なルールがあったら怖いよね。シャープレシオは、点数だけじゃなくて、どれだけ危険を冒したかも一緒に見るんだ。

例えば、安全に80点取った人と、危険を冒して85点取った人がいたとします。シャープレシオで評価すると、安全に80点取った人の方が賢いかもしれないんだ。

FXでも同じで、大きなリスクを取って少し儲けるより、小さなリスクで安定して儲ける方が優秀だとされます。この「賢さ」を数字で表したのがシャープレシオなんだよ。数字が大きいほど「安全に上手に儲けた」ってことなんだ。

つまりシャープレシオは危険度を考えた投資の賢さを測る指標だよ

シャープレシオは、まるで「安全運転でどれだけ早く目的地に着いたか」を測るようなものなんだ。スピード違反して5分早く着いても、事故のリスクを考えたら賢くないよね。同じように、FXでも大きなリスクで少し多く儲けるより、小さなリスクでそこそこ儲ける方が賢い場合があります。この「賢さ」を0から3くらいの数字で表して、投資戦略の良し悪しを比較できるようにした指標がシャープレシオなんだよ。

シャープレシオの概念 リターンだけでなくリスクも考慮した評価 戦略A: ハイリスク リターン +15% リスク 25% シャープレシオ 0.56 戦略B: ローリスク リターン +12% リスク 10% シャープレシオ 1.10 VS 戦略Bの方が優秀! リターンは少し低くても、リスクが小さければシャープレシオは高くなる

シャープレシオは、リターンだけでなくリスクも考慮した評価指標です。同じリターンならリスクが小さい方が優秀、同じリスクならリターンが大きい方が優秀と判断されます。

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STEP 02

さらに深掘ってマスターしよう

もっと詳しい本格解説

シャープレシオは、リスク調整後リターンを測定する最も重要な指標の一つで、ノーベル経済学賞受賞者のウィリアム・シャープが1966年に開発しました。計算式は「(ポートフォリオのリターン – 無リスク金利)÷ リターンの標準偏差」で、リスク1単位あたりの超過リターンを表します。つまり、どれだけ効率的にリターンを得られたかを数値化したものなんです。

一般的な評価基準として、1.0以上で良好、2.0以上で優秀、3.0以上で exceptionalとされています。0.5以下は改善の余地が大きく、マイナスの場合は無リスク資産以下のパフォーマンスを意味します。ヘッジファンドの評価では必ず使用される指標で、単純なリターンだけでなく、リスク効率を重視する現代的な評価方法として広く認知されているんですよ。

ただし、シャープレシオには重要な限界があります。最大の問題は、正規分布を前提としているため、下方リスクと上方リスクを区別しないことです。つまり、利益が大きく変動することも損失が大きく変動することも、同じ「リスク」として扱ってしまいます。そのため、ソルティノレシオカルマーレシオなど、他の指標と併用することが推奨されています。詳しくは日本証券業協会金融庁のウェブサイトでも確認できます。

関連用語をチェック

ソルティノレシオ 下方リスクのみを考慮した改良版の指標
カルマーレシオ 最大ドローダウンに対するリターンを測る
ボラティリティ 価格変動の激しさを表す指標
リスク管理 損失を抑えながら利益を最大化する方法
ドローダウン 最大資産から資産が減少した割合
資金管理 適切なリスクで取引を行う技術
リスクリワード リスクに対するリターンの比率
標準偏差 データのばらつきを表す統計指標
シャープレシオの計算方法 STEP 1 年率リターン 10% 1年間の運用成績 引き算 STEP 2 無リスク金利 1% 国債の利回り 割り算 STEP 3 標準偏差 15% リスクの大きさ 計算式 (10% – 1%) ÷ 15% = 0.60 シャープレシオ 0.60

シャープレシオは(リターン – 無リスク金利)÷ 標準偏差で計算します。この例では0.60という値になり、リスク管理の観点からは改善の余地があることを示しています。

シャープレシオの評価基準 数値が高いほど優秀な投資戦略 マイナス 投資しない 方がマシ 戦略見直し必須 < 0 0〜0.5 要改善 リスクが 高すぎる 0.5 0.5〜1.0 普通 多くの ファンド 1.0 1.0〜2.0 良好 優秀な ヘッジ ファンド 2.0 2.0以上 非常に優秀 伝説的 ファンド 3.0超は 検証が必要 3.0+ 個人投資家の目標ゾーン プロのヘッジファンド: 平均1.5〜2.0 個人投資家: 1.0以上で優秀 ※ 3年以上のデータで評価することが推奨されます

シャープレシオは1.0以上が合格ラインとされています。プロのヘッジファンドでも1.5〜2.0程度なので、個人投資家が1.0を超えれば相当優秀と言えます。

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シャープレシオに関するQ&A

よくある質問と回答

(年率リターン – 無リスク金利)÷ 年率標準偏差で計算します。例えば、リターン10%、無リスク金利1%、標準偏差15%なら、(10-1)÷15 = 0.6です。Excelで簡単に計算できます。
1.0以上が合格ラインです。0.5〜1.0は普通、1.0〜2.0は良好、2.0以上は優秀です。ただし、3.0を超える場合は、計算ミスや過剰最適化の可能性も疑うべきです。
計算期間で大きく変わります。短期間では偶然に左右されやすく、最低3年、理想的には5年以上のデータが必要です。また、月次と年次では値が異なるので、比較時は統一が必要です。
マイナスは無リスク資産以下のパフォーマンスを意味します。つまり、リスクを取ったのに国債以下の成績という意味で、戦略の見直しが必要です。投資しない方がマシだった状態です。
最大の欠点は良いボラティリティも悪く評価することです。上昇時の変動も下落時の変動も同じリスクとして扱います。また、非正規分布には不適切で、極端な損失を見逃す可能性があります。
同じ期間、同じ頻度で計算することが必須です。また、取引コストや税金を含めているかも統一します。資産クラスが異なる場合は、単純比較できないことも理解すべきです。
無リスク金利として日本国債利回り(ほぼ0%)を使用します。現在の日本では金利が極めて低いため、実質的にリターン÷標準偏差に近い値になることが多いです。
優秀なヘッジファンド1.5〜2.0程度です。伝説的なファンドで2.5以上、一般的なファンドは0.5〜1.0程度です。個人投資家が1.0を超えるのは相当優秀と言えます。

さらに学ぶ

シャープレシオについて理解が深まったら、次のステップへ進みましょう。

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