三角保ち合い(トライアングル) — 見分け方と対応

三角保ち合い(トライアングル) | チャートパターン図鑑
レッスン 5 / 10

三角保ち合い(トライアングル)

エネルギーが収束し、爆発的な動きを生む継続パターン。上昇・下降・対称の3種類を理解し、 ブレイクアウトの方向と目標値を正確に予測する手法をマスターしましょう。

難易度: 中級
所要時間: 約18分
継続パターン

1 トライアングルとは?収束から爆発への法則

トライアングル(三角保ち合い)は、価格の変動幅が徐々に狭まり、三角形を形成するパターンです。 エネルギーが収束した後、元のトレンド方向へ爆発的にブレイクアウトすることが多く、 継続パターンとして機能します。上昇・下降・対称の3種類があり、それぞれ異なる特徴を持ちます。

3種類のトライアングルパターン完全図解

上昇三角形(Ascending Triangle) レジスタンス(水平) 上昇サポート 上方ブレイク 買い圧力増大・上昇継続シグナル 下降三角形(Descending Triangle) サポート(水平) 下降レジスタンス 下方ブレイク 売り圧力増大・下降継続シグナル 対称三角形(Symmetrical Triangle) 下降レジスタンス 上昇サポート APEX どちらかにブレイク 方向性不明・トレンド確認必要 パターン特性比較 種類 ブレイク方向 成功率 出現頻度 上昇三角形 上(75%) 70-80% 下降三角形 下(75%) 70-80% 対称三角形 トレンド継続 60-70%
📈

上昇三角形

上値は一定レベルで抑えられるが、下値が切り上がるパターン。買い圧力が徐々に強まっている状態。

  • 水平なレジスタンスライン
  • 上昇するサポートライン
  • 上方ブレイクの確率75%
📉

下降三角形

下値は一定レベルで支えられるが、上値が切り下がるパターン。売り圧力が徐々に強まっている状態。

  • 水平なサポートライン
  • 下降するレジスタンスライン
  • 下方ブレイクの確率75%
⚖️

対称三角形

上値が切り下がり、下値が切り上がる均衡パターン。方向性は先行トレンドに従うことが多い。

  • 下降するレジスタンスライン
  • 上昇するサポートライン
  • トレンド継続の確率60-70%

2 正確なトライアングルの識別方法と形成条件

トライアングルを正しく識別するには、特定の条件を満たす必要があります。 最低4つの接触点、適切な形成期間、出来高の変化など、重要なチェックポイントを理解しましょう。

トライアングル成立の5つの必須条件

条件1: 最低4つの接触点 1 2 3 1 2 上下各2回以上 条件2: 3週間~3ヶ月 3-12週間 短すぎず長すぎず 条件3: 出来高減少→増加 収束時減少・ブレイク時急増 条件4: 適切な角度 20-50° 急すぎず緩すぎず 条件5: APEX前にブレイク APEX 理想的 ブレイク位置 0% 60-75% 100%

⚠️ よくある誤認パターン

  • 接触点が2-3回しかない不完全な形
  • 形成期間が1週間程度の短期パターン
  • ラインの角度が急すぎる(60度以上)または緩すぎる(10度以下)
  • APEXを超えても方向が定まらない場合は無効

3 ブレイクアウト戦略と目標値の正確な計算方法

トライアングルのブレイクアウトをどう捉え、どこまで価格が動くかを予測することが重要です。 パターンの高さを使った目標値計算と、3つのエントリー手法を詳しく解説します。

目標値計算とエントリー戦略

目標値の計算方法 高さ(H) 目標値 = ブレイク価格 + H 計算式 上方ブレイク: 目標値 = ブレイク価格 + パターン高さ 3つのエントリータイミング 1. 即エントリー リスク:高 リワード:高 2. 確認エントリー リスク:中 リワード:中 3. リテスト リスク:低 リワード:中 エントリー戦略比較 タイミング 勝率 R:R比 推奨 ブレイク即 55-65% 1:2.5 経験者 終値確認後 65-75% 1:2 中級者 リテスト時 75-85% 1:1.5 初心者 ストップロスの設定方法 上昇三角形の場合 SL: パターン下限の少し下 下降三角形の場合 SL: パターン上限の少し上 リスク管理の鉄則 • リスクリワード比は最低1:1.5以上を確保 • 1トレードのリスクは総資金の2%以内に制限
上方ブレイクの計算

トライアングルの最大幅(高さ)を測定し、ブレイクポイントに加算。

目標値 = ブレイク価格 + 高さ

例: 150円でブレイク、高さ5円
→ 目標値 = 155円

下方ブレイクの計算

トライアングルの最大幅(高さ)を測定し、ブレイクポイントから減算。

目標値 = ブレイク価格 – 高さ

例: 145円でブレイク、高さ5円
→ 目標値 = 140円

部分利確の戦略

目標値までの道のりで段階的に利益確定。

50%地点: 半分利確
100%地点: 残り利確

リスクを減らしながら利益を最大化

✅ ブレイクアウト成功の5つのサイン

  1. 出来高が通常の1.5倍以上に急増
  2. 終値でラインを明確に突破(3%以上)
  3. 翌日も同方向への動きが継続
  4. リテスト時にサポート/レジスタンスとして機能
  5. 関連通貨ペアも同じ方向性を示す

4 実践トレード例とよくある失敗の回避方法

実際のチャートでトライアングルを活用したトレード例と、初心者が陥りやすい失敗パターンを解説します。 成功率を高めるための実践的なテクニックを身につけましょう。

1

複数時間軸の確認

日足でパターンを発見したら、4時間足で詳細を確認し、週足で大局を把握。全て同じ方向なら信頼性大。

2

他の指標との併用

RSIのダイバージェンス、MACDのクロス、ボリンジャーバンドの収束など、複数の根拠を確認。

3

市場環境の考慮

重要経済指標の前後、市場のボラティリティ、主要サポレジとの位置関係を必ず確認。

4

資金管理の徹底

ポジションサイズを適切に管理し、連敗に備えた資金配分。最大損失は総資金の2%以内。

5

トレード記録

全てのトレードを記録し、パターンごとの勝率を分析。自分の得意パターンを見つける。

6

感情管理

ブレイクアウトの興奮に流されず、計画通りのエントリーとエグジット。機械的な実行が重要。

🚫 よくある失敗と対策

失敗パターン 対策
早すぎるエントリー ブレイクアウトの確認を待つ
ストップロスなし エントリー前に必ず設定
短期足での判断 日足以上で確認
出来高無視 ブレイク時の出来高確認必須
目標値への固執 市場状況に応じて柔軟に対応

トライアングルパターンの統計データ

パターン種類 出現頻度 成功率 平均利益率 平均保有期間
上昇三角形 15% 72% +8.5% 5-10日
下降三角形 15% 71% +8.2% 5-10日
対称三角形 25% 65% +7.0% 7-14日

※主要通貨ペアの日足チャート、過去5年間のデータに基づく

💡 最後のアドバイス

トライアングルは継続パターンの中でも特に信頼性が高いパターンです。 ただし、完璧なパターンを待つことが重要で、疑わしい形には手を出さないこと。 「美しいトライアングルだけをトレードする」という原則を守れば、長期的に安定した成績が期待できます。

トライアングル完全制覇!実践で腕を磨こう

三角保ち合いパターンをマスターしたあなたは、相場の収束から爆発への流れを読み取る力を身につけました。 次は実際のトレードで経験を積み、安定した利益を目指しましょう。 まずは最適なFX会社選びから始めることが成功への第一歩です。

準備ができたら、デモトレードから始めて実践スキルを磨きましょう!