証拠金と必要資金
取引を始めるのに必要な「証拠金」の仕組みと、ロスカットを避けるための資金管理方法を学びます
前回のおさらい
レッスン4では、取引コストであるスプレッドについて学びました。今回は、実際に取引を始めるために必要な「証拠金」と、安全な資金管理について詳しく見ていきます。
証拠金とは?
FX会社に預ける「担保金」のようなもの
証拠金とは、レバレッジを使って大きな取引をするために、FX会社に預けるお金のことです。 これが「担保」となることで、自己資金以上の取引ができるようになります。
🏠 住宅ローンに例えると:
• 頭金 = 証拠金
• 家の価格 = 取引金額
• ローン = レバレッジ
頭金を入れることで、残りは銀行が貸してくれるイメージです
必要証拠金の計算方法
必要証拠金シミュレーター
あなたの資金でどれくらいの取引ができるか計算してみましょう
ロスカットの仕組みと対策
ロスカットとは、損失が大きくなりすぎた時に、FX会社が強制的にポジションを決済する仕組みです。これは投資家を守るための制度ですが、適切な資金管理をしないと資金を失う原因になります。
証拠金維持率によるリスクレベル
💡 ロスカットを避けるための計算式
証拠金維持率 = (純資産 ÷ 必要証拠金)× 100%
例:資金10万円、必要証拠金4万円、含み損1万円の場合
(10万円 – 1万円)÷ 4万円 × 100% = 225%(安全)
レベル別の推奨資金管理
トレーダーレベル | 推奨証拠金 | 推奨レバレッジ | 証拠金維持率 | 安全度 |
---|---|---|---|---|
初心者(〜3ヶ月) | 10万円〜 | 1〜3倍 | 500%以上 | 非常に安全 |
中級者(3ヶ月〜1年) | 30万円〜 | 5〜10倍 | 300%以上 | 安全 |
上級者(1年以上) | 50万円〜 | 10〜15倍 | 200%以上 | 標準 |
プロ(3年以上) | 100万円〜 | 15〜25倍 | 150%以上 | リスク高 |
⚠️ 重要な警告
初心者が最初から高レバレッジで取引すると、ほぼ確実に資金を失います。必ず少額・低レバレッジから始めて、徐々にレベルを上げていきましょう。
資金別の取引例
• 取引可能額: 15万円
• USD/JPY: 1,000通貨
• 1円変動の損益: ±1,000円
• 取引可能額: 300万円
• USD/JPY: 10,000通貨
• 1円変動の損益: ±10,000円
• 取引可能額: 500万円
• USD/JPY: 30,000通貨
• 1円変動の損益: ±30,000円
安全な資金管理の鉄則
生活費や借金での取引は絶対NG
1回の取引は証拠金の30%以内に
証拠金の2%損失で必ず損切り
利益が出たら証拠金を増やす
このレッスンのポイント
- 証拠金はFX会社に預ける担保金
- 必要証拠金 = 取引数量 × レート ÷ レバレッジ
- 証拠金維持率50%以下でロスカット(強制決済)
- 初心者は必ず余裕を持った資金管理を
- 1回の取引は証拠金の30%以内に抑える