前回のおさらい

レッスン4では、取引コストであるスプレッドについて学びました。今回は、実際に取引を始めるために必要な「証拠金」と、安全な資金管理について詳しく見ていきます。

証拠金とは?

FX会社に預ける「担保金」のようなもの

証拠金とは、レバレッジを使って大きな取引をするために、FX会社に預けるお金のことです。 これが「担保」となることで、自己資金以上の取引ができるようになります。

🏠 住宅ローンに例えると:

• 頭金 = 証拠金
• 家の価格 = 取引金額
• ローン = レバレッジ
頭金を入れることで、残りは銀行が貸してくれるイメージです

必要証拠金の計算方法

USD/JPY 1万通貨を取引する場合 取引数量 10,000通貨 × 現在レート 110円 ÷ レバレッジ 25倍 必要証拠金 44,000円 10,000通貨 × 110円 ÷ 25倍 = 44,000円 この金額があれば1万通貨の取引ができます

必要証拠金シミュレーター

あなたの資金でどれくらいの取引ができるか計算してみましょう

取引可能な通貨数 9,090通貨
取引金額 100万円
1円変動時の損益 ±9,090円
推奨余裕資金 20万円以上

ロスカットの仕組みと対策

ロスカットとは、損失が大きくなりすぎた時に、FX会社が強制的にポジションを決済する仕組みです。これは投資家を守るための制度ですが、適切な資金管理をしないと資金を失う原因になります。

証拠金維持率によるリスクレベル

0% 50% 100% 200%+
50%以下:ロスカット発動(強制決済)
50-100%:危険ゾーン(追証の可能性)
200%以上:安全ゾーン(推奨)

💡 ロスカットを避けるための計算式

証拠金維持率 = (純資産 ÷ 必要証拠金)× 100%

例:資金10万円、必要証拠金4万円、含み損1万円の場合
(10万円 – 1万円)÷ 4万円 × 100% = 225%(安全)

レベル別の推奨資金管理

トレーダーレベル 推奨証拠金 推奨レバレッジ 証拠金維持率 安全度
初心者(〜3ヶ月) 10万円〜 1〜3倍 500%以上 非常に安全
中級者(3ヶ月〜1年) 30万円〜 5〜10倍 300%以上 安全
上級者(1年以上) 50万円〜 10〜15倍 200%以上 標準
プロ(3年以上) 100万円〜 15〜25倍 150%以上 リスク高

⚠️ 重要な警告

初心者が最初から高レバレッジで取引すると、ほぼ確実に資金を失います。必ず少額・低レバレッジから始めて、徐々にレベルを上げていきましょう。

資金別の取引例

🌱
初心者スタート
資金: 5万円
• レバレッジ: 3倍
• 取引可能額: 15万円
• USD/JPY: 1,000通貨
• 1円変動の損益: ±1,000円
まずは練習!少額で経験を積む
📈
標準スタイル
資金: 30万円
• レバレッジ: 10倍
• 取引可能額: 300万円
• USD/JPY: 10,000通貨
• 1円変動の損益: ±10,000円
本格的な取引が可能
🚀
余裕を持った運用
資金: 100万円
• レバレッジ: 5倍
• 取引可能額: 500万円
• USD/JPY: 30,000通貨
• 1円変動の損益: ±30,000円
複数ポジションで分散投資

安全な資金管理の鉄則

💰
余剰資金で始める
生活費や借金での取引は絶対NG
📊
証拠金の30%まで
1回の取引は証拠金の30%以内に
🛡️
損切りルールを決める
証拠金の2%損失で必ず損切り
📈
複利で増やす
利益が出たら証拠金を増やす

このレッスンのポイント

  • 証拠金はFX会社に預ける担保金
  • 必要証拠金 = 取引数量 × レート ÷ レバレッジ
  • 証拠金維持率50%以下でロスカット(強制決済)
  • 初心者は必ず余裕を持った資金管理を
  • 1回の取引は証拠金の30%以内に抑える

次のレッスン: 注文方法の種類と使い方

証拠金の仕組みがわかったら、次は実際の「注文方法」を学びましょう。成行注文、指値注文、逆指値注文など、様々な注文方法をマスターします。

注文方法について学ぶ →