ISM（Institute for Supply Management）指数は、米国供給管理協会が発表する景気の先行指標として、世界中の投資家が注目している経済指標です。製造業ISMと非製造業ISM（サービス業）の2種類があり、それぞれ毎月第1営業日に発表されます。購買担当者へのアンケート結果を基にしているため、現場の市場感覚を直接反映しているのが特徴です。

ISM指数の算出方法と特徴

ISM指数の最大の特徴は、50を分岐点として景気の拡大・縮小を判断できることです。50を上回れば景気拡大、下回れば景気縮小を示します。調査では、購買担当者に新規受注、生産、雇用、入荷遅延、在庫などの項目について「増加」「同じ」「減少」の3択で回答してもらいます。それを拡散指数方式で算出し、「増加」の割合に0.5×「同じ」の割合を加えることでISMの数値が決まります。この計算方法により、先行指標としての精度が高まっているんですよ。

FX市場への影響とトレード戦略

FX市場では、ISM指数の発表時に大きな値動きが起こることがよくあります。特に製造業ISMは、米国経済の約2割を占める製造業の動向を示すため重視されますが、非製造業ISMも米国経済の約8割を占めるサービス業の状況を反映するため、近年は同等に注目されています。予想値を上回ればドル買い、下回ればドル売りの反応が一般的ですが、50を割るかどうかが特に注目されます。また、雇用統計の先行指標としても活用され、FRB（連邦準備制度理事会）の金融政策判断にも影響を与える重要な指標なんです。