カップアンドハンドルは、長期的な強気継続パターンとして知られる信頼性の高いチャートパターンなんですよ。ウィリアム・オニールによって広められたこのパターンは、なだらかなU字型の「カップ」と、その後に形成される小さな調整「ハンドル」で構成されます。数週間から数ヶ月かけて形成される、息の長いパターンです。実際、日本取引所グループの資料でも、チャートパターンの重要性が強調されています。

形成過程には明確な心理的背景があります。まず売り圧力により下落しますが、底値圏で売り圧力が枯渇し、徐々に買い手が戻ってきます。前回高値付近まで回復すると、以前の買い手の売り圧力に遭遇し、小幅な調整（ハンドル）となります。この最後の売り圧力を吸収した後、新たな買い手により上放れするのです。したがって、カップアンドハンドルは市場参加者の心理変化を反映した、非常に合理的なパターンといえるでしょう。

理想的なパターンでは、カップの深さは高値から30〜50％程度、ハンドルは10〜15％程度の調整となります。カップは丸みを帯びた形が理想で、V字型は好ましくありません。ハンドルはカップの上半分で形成されるべきで、深すぎるハンドルは失敗の可能性が高まります。ブレイクアウト時の出来高増加も、成功の重要な要素なんですよ。さらに、金融庁の投資教育資料でも、チャート分析の基礎として、こうしたパターン認識の重要性が説明されています。