前回のおさらい

レッスン5では、証拠金と資金管理について学びました。今回は、実際に注文を出す際の様々な方法と、それぞれの使い分けを詳しく見ていきます。

FXの注文方法とは?

FXには様々な注文方法があり、状況に応じて使い分けることで、効率的な取引リスク管理が可能になります。

🎯 注文方法を使い分ける理由

  • チャートを見続けなくても取引できる
  • 感情に左右されず計画的な取引が可能
  • 自動で利益確定・損切りができる
  • 寝ている間も注文を出しておける

6つの注文方法をマスターしよう

成行注文
基本

今すぐ、現在の価格で売買する最も基本的な注文方法。確実に約定します。

すぐに約定する
操作が簡単
! 価格を指定できない
指値注文
応用

指定した価格になったら自動で売買。有利な価格で取引したい時に使います。

希望価格で取引
チャートを見なくてOK
! 約定しない場合あり
逆指値注文
応用

不利な価格で自動売買。主に損切り(ストップロス)に使用します。

自動で損切り
リスク管理に必須
! スリッページあり
OCO注文
特殊

2つの注文を同時に出し、一方が約定したらもう一方は自動キャンセル。

利確と損切りを同時設定
どちらに動いても対応
! 設定がやや複雑
IFD注文
特殊

新規注文と決済注文をセットで予約。最初の注文が約定したら次が有効に。

完全自動取引
計画的な取引
! 初心者には難しい
IFO注文
特殊

IFDとOCOの組み合わせ。新規→利確・損切りまで全自動で管理。

最も高機能
完全放置OK
! 上級者向け

注文方法シミュレーター

各注文方法の動きを視覚的に理解しましょう

成行注文の仕組み

「今すぐ買う/売る」ボタンを押すと、その瞬間の価格で即座に約定します。

現在価格: 110.50円

メリット:確実に約定する、操作が簡単
デメリット:スプレッド分の損失からスタート

指値注文の仕組み

現在より有利な価格を指定して注文。その価格になったら自動的に約定します。

現在: 110.50円
指値買い: 110.00円
📉 価格が下がったら買う

メリット:希望価格で取引できる
デメリット:価格が届かないと約定しない

逆指値注文の仕組み

現在より不利な価格で注文。主に損切り(ストップロス)として使用します。

現在: 110.50円
逆指値売り: 110.00円
🛑 これ以上の損失を防ぐ

メリット:自動で損切りできる
デメリット:一時的な値動きで約定することも

OCO注文の仕組み

利益確定と損切りを同時に設定。どちらかが約定したら、もう一方は自動キャンセル。

現在: 110.50円
利確: 111.00円
損切: 110.00円

メリット:両方向の変動に対応
デメリット:設定が少し複雑

注文方法の特徴比較

注文方法 約定タイミング 使用場面 難易度 初心者向け
成行注文 即座に約定 今すぐ売買したい時 ★☆☆
指値注文 指定価格到達時 有利な価格で取引したい ★★☆
逆指値注文 指定価格突破時 損切り・トレンドフォロー ★★☆
OCO注文 どちらか一方 利確と損切りの同時設定 ★★★
IFD注文 順番に約定 新規→決済の自動化 ★★★
IFO注文 新規→OCO 完全自動取引 ★★★ ×

💡 初心者はここから始めよう

  1. まずは成行注文で売買の感覚をつかむ
  2. 慣れたら逆指値注文で損切りを設定
  3. 余裕が出たら指値注文で有利な価格を狙う

こんな時はどの注文?実践シナリオ

💼
仕事中で相場が見れない
朝9時から夕方6時まで仕事。USD/JPYが110円になったら買いたい。
解決策:
指値注文で110円に買い注文を設定。
同時にOCO注文で利確(111円)と損切り(109.5円)も設定しておく。
😴
寝ている間のリスク管理
ポジションを持ったまま寝るが、大きな損失は避けたい。
解決策:
必ず逆指値注文で損切りラインを設定。
証拠金の2%以内の損失で済むように価格を決める。
📈
トレンドに乗りたい
上昇トレンド中。押し目(一時的な下落)で買いたい。
解決策:
サポートライン付近に指値買い注文を設定。
約定したら逆指値で損切りも忘れずに。

注文時の注意点

  • スリッページ:注文価格と約定価格がズレることがある(特に指標発表時)
  • 約定拒否:相場急変時は注文が通らないことがある
  • 週末リスク:金曜の夜から月曜の朝まで市場が閉まるため、窓開けに注意
  • ロット間違い:注文数量を間違えると大きな損失につながる

理解度チェッククイズ

Q: 寝ている間の損失を限定したい時に使う注文方法は?

A. 成行注文
B. 逆指値注文(ストップロス)
C. 指値注文

このレッスンのポイント

  • 成行注文は即座に約定、指値は希望価格で約定
  • 逆指値注文は損切り(ストップロス)に必須
  • OCO注文で利確と損切りを同時に設定できる
  • 初心者はまず成行と逆指値をマスター
  • 注文ミスを防ぐため、数量は必ず確認

次のレッスン: 口座開設の流れと必要書類

注文方法を理解したら、次は実際にFX口座を開設する手順を学びましょう。必要書類や審査のポイント、口座選びのコツを詳しく解説します。

口座開設について学ぶ →