前回のおさらい

レッスン3では、レバレッジの仕組みとリスク管理を学びました。今回は、取引の際に必ずかかる「コスト」について理解を深めます。

スプレッドとは?

買値(ASK)と売値(BID)の差額 = 実質的な手数料

FX会社は「手数料無料」を謳っていますが、実際にはスプレッドという形で手数料を取っています。

🏦 銀行の両替に例えると:

• 1ドルを買う時:111円必要(高く買わされる)
• 1ドルを売る時:110円しかもらえない(安く売らされる)
• この差額1円が銀行の利益 = スプレッド

リアルタイムの価格表示イメージ

USD/JPY
BID(売値)
110.500
ASK(買値)
110.502
スプレッド: 0.2銭(0.002円)

買った瞬間に0.2銭の含み損からスタート

スプレッドの仕組み 実際の為替レート BID 売る時の価格 110.500 ASK 買う時の価格 110.502 0.2銭

主要通貨ペアのスプレッド比較

通貨ペア 一般的なスプレッド 1万通貨の取引コスト 特徴
USD/JPY 0.2銭〜 20円 最も狭い・初心者向け
EUR/USD 0.3pips〜 約33円 狭い・取引量多い
EUR/JPY 0.4銭〜 40円 標準的
GBP/JPY 0.9銭〜 90円 やや広い・値動き大
AUD/JPY 0.5銭〜 50円 標準的
TRY/JPY 1.6銭〜 160円 広い・マイナー通貨

💡 覚えておくべきこと

  • スプレッドは往復でかかる(買って売るまで)
  • 取引量が多いほど、スプレッドコストも増える
  • マイナー通貨ほどスプレッドが広い

取引コスト計算機

実際の取引でどれくらいコストがかかるか計算してみましょう

1回の取引コスト 20円
1日のコスト 20円
1ヶ月のコスト(20営業日) 400円
1年のコスト(240営業日) 4,800円

時間帯によるスプレッドの変化

スプレッドは時間帯によって変動します。取引が活発な時間は狭く、閑散時は広がります。

🌅
東京時間
9:00 – 15:00
狭い
🌆
ロンドン時間
16:00 – 24:00
最も狭い
🌃
NY時間
21:00 – 6:00
狭い
🌙
早朝(閑散時)
3:00 – 9:00
広い

⚠️ 注意が必要な時間

  • 重要指標発表時:スプレッドが一時的に大きく広がる
  • 週明け月曜早朝:週末のニュースで相場が動きやすく、スプレッドも不安定
  • 年末年始・祝日:参加者が少なくスプレッドが広がる

取引コストを抑える4つのコツ

1

スプレッドの狭い通貨ペアを選ぶ

初心者はUSD/JPYから始めましょう。最もスプレッドが狭く、情報も豊富です。慣れてきたら他の通貨ペアに挑戦。

2

活発な時間帯に取引する

ロンドン時間(16:00-24:00)は世界中のトレーダーが参加し、スプレッドが最も狭くなります。早朝は避けましょう。

3

取引回数を減らす

スキャルピング(超短期売買)は回数が多い分、スプレッドコストがかさみます。じっくり狙う方がコスト効率が良い。

4

キャンペーンを活用する

FX会社によってはスプレッド縮小キャンペーンを実施しています。複数の口座を使い分けるのも一つの方法。

このレッスンのポイント

  • スプレッドは買値と売値の差で、実質的な手数料
  • USD/JPYが最もスプレッドが狭く、初心者向け
  • 時間帯によってスプレッドは変動する(活発な時間は狭い)
  • 取引回数が多いほどスプレッドコストがかさむ
  • 重要指標発表時はスプレッドが広がるので注意

次のレッスン: 証拠金と必要資金

スプレッドの仕組みがわかったら、次は実際の取引に必要な「証拠金」について学びましょう。いくらあれば取引を始められるのか、ロスカットを避ける方法も解説します。

証拠金について学ぶ →