ペイント・ザ・テープの完全ガイド

わからない前提で解説 5歳でもなんとなく分かるFX用語!

ペイント・ザ・テープ

終値や高値を操作するため取引時間終了間際に行う不正取引

パンダ
STEP 01

なんとなく理解しよう!

5歳でもわかる超かんたん解説

ペイント・ザ・テープっていうのはね、最後の瞬間にズルをして見た目を良くする悪いことなんだよ。

たとえば、テストの時間が終わる直前に、友達の答案用紙を覗いて答えを書き換えるようなズルと同じなんだ。または、かけっこのゴール直前で近道をして、1位になったふりをするみたいなことだよ。

株やFXの世界では、取引時間が終わる直前に、悪い人がわざと高い値段で買ったり、安い値段で売ったりして、その日の最後の値段(終値)を操作するんだ。これで、チャートを見た人に「上がってる!」とか「下がってる!」って勘違いさせるんだよ。

次の日の朝、みんながその偽物の値段を見て取引を始めちゃうから、たくさんの人が騙されるんだ。でも、これは立派な犯罪で、警察に捕まることもある悪いことなんだよ。

「テープ」っていうのは、昔の株価を記録する紙のテープのことで、それに色を塗って(ペイント)ごまかすっていう意味なんだ。(今はコンピューターだけど、名前は昔のままなんだよ)

つまりペイント・ザ・テープは「終値を偽装する」卑怯な詐欺行為だよ!

ペイント・ザ・テープは、取引終了間際に価格を操作する犯罪なんだ。マラソンでゴール直前だけダッシュして、「ずっと速く走ってました」って嘘をつくようなものだよ。

取引時間の最後の数分で、少量でも高値安値)で取引して、その日の終値を操作するんだ。チャートを見た投資家はトレンドと勘違いして、翌日の取引で損をしちゃう。特に投資信託の評価額操作に使われることもある悪質な手口なんだよ。

パンダ
STEP 02

さらに深掘ってマスターしよう!

もっと詳しい本格解説

ペイント・ザ・テープは、取引終了間際の価格操作により終値高値を偽装する相場操縦なんですよ。「テープ」は昔の株価表示装置(ティッカーテープ)を指し、そこに虚偽の印象を「描く(ペイント)」という意味です。

典型的な手法は、取引終了前の数分間に少量の高値買い安値売りを行い、終値を操作することです。たとえば、100円で推移していた株を、終了1分前に101円で100株だけ買い、終値を101円にします。出来高は少なくても、チャート上は上昇に見えるため、翌日の投資判断を誤らせます。

この手法は投資信託の基準価額操作にも悪用されます。月末や四半期末に保有銘柄の終値を吊り上げ、ファンドの成績を良く見せかける「ウィンドウドレッシング」と呼ばれる行為です。日本では金融商品取引法違反として5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科されます。取引所は終値決定方式を改善し、出来高加重平均価格(VWAP)の採用などで対策を強化しているんですよ。

関連用語をチェック!

終値操作 取引終了時の価格を意図的に変更する行為
ティッカーテープ 昔の株価表示用の紙テープ装置
ウィンドウドレッシング 決算期末に見た目を良くする粉飾行為
基準価額 投資信託の1口あたりの純資産価値
出来高加重平均価格 取引量で加重平均した価格(VWAP)
引け成り 取引終了時に成行注文で約定させること
ザラ場 取引時間中の通常売買時間帯
終値関与 取引終了間際に価格形成に影響を与える行為
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STEP 03

ペイント・ザ・テープに関するQ&A

よくある質問と回答

終値翌日の基準価格やチャート分析の基点になります。投資信託の基準価額計算、テクニカル指標の算出、ローソク足の形成など、多くの場面で使われます。そのため、終値操作の影響は大きいんです。投資判断を歪める重大な問題です。
月末、四半期末、年度末など、ファンドの評価時期に多発します。また、オプションの権利行使価格付近で起きやすく、SQ(特別清算指数)算出日も要注意です。流動性の低い銘柄や、取引終了間際は特に操作されやすいです。
終値付近だけ出来高が異常に少ない高値安値がある場合は要注意です。また、ザラ場の値動きと終値が乖離している、毎日終値だけ不自然、引け間際に急変動するなどが兆候です。ティックチャートで確認することが重要です。
FX市場は24時間取引のため起きにくいですが、週末のNY市場クローズ時や、日本時間の東京市場終了時に類似の操作が行われることがあります。特に、スワップポイントの算出時刻に合わせた操作には注意が必要です。
取引所は終値決定を単純な最終約定価格から改善しています。引け前の一定時間の出来高加重平均(VWAP)、板寄せ方式、ランダムエンド方式などです。また、AIによる異常検知で、不自然な終値形成を監視しています。
日本では、終値操作で課徴金数千万円の事例があります。米国では、ファンドマネージャーが懲役刑と資格剥奪を受けた例もあります。特に組織的な終値操作は重罪とされ、会社全体が処罰対象となることもあります。
終値だけでなく、日中の値動きも確認することが大切です。また、出来高を伴わない価格変動には注意し、複数の時間軸でチャート分析を行います。引け間際の取引は避け、指値注文を活用することも有効です。
ブロックチェーン技術により、改ざん不可能な価格記録が実現しつつあります。また、24時間取引への移行や、AI による公正価格算出など、構造的な解決策が検討されています。規制強化と技術革新の両面から対策が進んでいます。