クオンツ（Quantitative Analyst）は、高度な数学的手法と統計学を用いて金融市場を分析し、投資戦略を構築する専門家なんですよ。物理学や数学の博士号を持つ人も多く、ウォール街では「ロケットサイエンティスト」とも呼ばれています。

主な仕事は数理モデルの開発、リスク管理、デリバティブの価格算出、アルゴリズム取引の設計などです。プログラミング能力も必須で、PythonやR、C++などを使いこなし、ビッグデータ解析も日常的に行います。レバレッジを考慮したポジションサイジングや、ボラティリティの予測も得意分野です。年収は非常に高く、トップクラスでは数億円に達することもあるんですよ。

ただし、モデルの限界も存在します。2008年の金融危機では、多くのクオンツモデルが機能不全に陥りました。市場は人間の感情も含む複雑系なので、数式だけでは完全に予測できないという課題もあるんです。損切りのタイミングや利確のポイントも、モデル通りにいかないことがあります。システムトレードと組み合わせることで、感情を排除したエントリーが可能になりますが、バックテストでは良好な結果でも、実際のフォワードテストでは異なる結果になることもあるんですよ。