ECB(欧州中央銀行)について詳しく解説

わからない前提で解説 5歳でもなんとなく分かるFX用語!

ECB(欧州中央銀行)

ユーロ圏の金融政策を担う中央銀行で、ユーロの価値安定を主要目的とする機関

パンダ
STEP 01

なんとなく理解しよう!

5歳でもわかる超かんたん解説

ECBっていうのはね、ヨーロッパのお金(ユーロ)を管理する大きな銀行のことなんだよ。

ヨーロッパにはたくさんの国があるでしょ?フランスとかドイツとかイタリアとか。これらの国は昔は違うお金を使っていたけど、今はみんなで同じ「ユーロ」というお金を使っているんだ。でも、たくさんの国が同じお金を使うと、誰が管理するか困っちゃうよね。

そこで、ECBという特別な銀行が、みんなのお金を守る役割をしているんだよ。物の値段が上がりすぎないように見張ったり、お金の量を調整したりして、ヨーロッパの人たちが安心してお金を使えるようにしているんだ。学級委員長がクラスをまとめるみたいに、ECBがヨーロッパのお金をまとめているんだよ。

つまりECBはヨーロッパのお金の守護神みたいな銀行だよ!

ECBはユーロという共通のお金の管理人なんだ!たくさんの国が集まって一つのチームを作るとき、キャプテンが必要だよね?ECBはまさにユーロチームのキャプテンなんだよ。ドイツもフランスもイタリアも、みんなユーロを使っているから、ECBが「今日はお金をもっと出そう」とか「ちょっと締めよう」とか決めて、みんなが幸せに暮らせるように頑張っているんだ。

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STEP 02

さらに深掘ってマスターしよう!

もっと詳しい本格解説

ECB(European Central Bank/欧州中央銀行)は、ユーロ圏の金融政策を一元的に担う超国家的な中央銀行なんですよ。1998年に設立され、本部はドイツのフランクフルトにあります。現在20カ国が加盟するユーロ圏の物価安定を最優先目標とし、インフレ率を「2%に近いがやや下回る水準」に維持することを目指しています。

ECBの主要な政策手段は政策金利の決定です。主要リファイナンス金利、預金ファシリティ金利、限界貸出ファシリティ金利の3つを設定します。また、量的緩和(QE)などの非伝統的金融政策も実施し、国債や社債の購入を通じて市場に流動性を供給します。政策理事会は6週間ごとに開催され、その決定は世界の金融市場に大きな影響を与えます。

ECBの特徴は、複数国の利害を調整しながら政策決定を行う必要があることです。ドイツのような経済が堅調な国と、南欧の経済が脆弱な国では最適な金融政策が異なるため、バランスの取れた判断が求められます。総裁の記者会見での発言は、ユーロの方向性を占う重要な材料となるんですよ。

関連用語をチェック!

ユーロ(EUR) ECBが管理する欧州の統一通貨で、世界第2位の取引量を誇る
FRB(連邦準備制度) 米国の中央銀行で、ECBと並ぶ世界の主要中央銀行
政策金利 ECBが設定する金利で、ユーロ圏の金融政策の基準となる
量的緩和(QE) ECBが実施する非伝統的金融政策で、資産購入により流動性を供給
インフレターゲット ECBが目標とする物価上昇率で、2%近辺を目指している
ドラギ前総裁 「何でもやる」発言で有名な元ECB総裁で、ユーロ危機を救った
ラガルド総裁 現ECB総裁で、元IMF専務理事の経歴を持つ
ユーロシステム ECBと各国中央銀行で構成されるユーロ圏の中央銀行制度
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STEP 03

ECB(欧州中央銀行)に関するQ&A

よくある質問と回答

6週間ごとに年8回、政策理事会が開催されます。通常は木曜日に開催され、日本時間20:45(夏時間)または21:45(冬時間)政策金利が発表されます。その後、21:30から総裁記者会見が行われ、政策の背景説明や今後の見通しが示されます。この時間帯はユーロが大きく動くため要注意です。
利上げはユーロ高要因利下げはユーロ安要因となります。また、量的緩和の拡大はユーロ安、縮小はユーロ高につながります。さらに重要なのは総裁の発言で、タカ派(引き締め的)な発言はユーロ高、ハト派(緩和的)な発言はユーロ安を招きます。市場の期待との乖離が大きいほど、反応も大きくなります。
目標が異なります。ECBは物価安定のみが目標ですが、FRBは物価安定と完全雇用の二つの使命があります。また、ECBは20カ国の合意形成が必要で意思決定が複雑ですが、FRBは単一国家のため迅速な対応が可能です。政治的独立性はECBの方が強いとされています。
経済格差が大きい国々をまとめて管理するからです。ドイツのような強い経済国には引き締めが適切でも、ギリシャのような国には緩和が必要というジレンマがあります。また、財政政策は各国バラバラなのに、金融政策だけ統一されているという構造的な問題もあります。
国債や社債を大量購入して市場に資金を供給する政策です。2015年から本格的に開始され、毎月数百億ユーロ規模で資産を購入しました。目的はデフレ脱却とインフレ率2%達成です。購入は各国のGDP比率に応じて配分され、ドイツ国債が最も多く購入されました。現在は段階的に縮小されています。
政治的手腕と対話力が強みです。法律家出身で元IMF専務理事という異色の経歴を持ち、伝統的な中央銀行家ではありません。気候変動対策を金融政策に組み込むなど、新しい視点を導入しています。市場との対話を重視し、分かりやすい言葉で政策を説明する姿勢が評価されています。
将来の金融政策の方向性を事前に示すコミュニケーション手法です。「相当期間、現在の金利水準を維持する」などの時間軸政策や、「インフレ率が2%に到達するまで」といった条件付きガイダンスがあります。市場の予測可能性を高め、政策効果を強化する狙いがあります。
金融政策は統一、財政政策は各国バラバラという構造的矛盾があります。ECBは金融政策しか持たないため、財政統合なき通貨統合の限界に直面することがあります。ユーロ危機時には、本来の権限を超えて「最後の貸し手」として行動し、政治的な批判も受けました。構造改革は各国の責任とされています。